観光学部は「やめとけ」と言われることが少なくありません。就職が不利、年収が低い、専門性が浅いなど、ネガティブな声も多く見受けられます。しかし、これは観光学部の本質を理解しないまま、表面的な情報だけで語られているケースが大半です。
実際には、観光学部は地域創生やホスピタリティ、国際交流、観光ビジネスの企画・運営まで幅広い知識と実践力が養える学問です。進路も旅行業界だけに限らず、行政、マーケティング、さらにはディズニーなどのテーマパーク産業や外資系ホテルなど、活かせる仕事は多岐にわたります。
また、就職での年収が気になる人にとっても、努力次第でキャリアアップや年収増は十分に可能です。観光学部やめとけという意見に惑わされず、自分に向いてる人の特徴と合っているか、デメリットを正しく理解して判断することが重要です。
本記事では、観光学部の強い大学やどこがいいかの大学選びのコツ、国公立と私立の違い、大学ランキングの活用法など、観光学部の実態と価値を多角的に解説します。
- 観光学部が「就職に不利」と言われる理由とその真相
- 観光学部卒業後の年収や活かせる仕事の具体例
- 観光学部に向いてる人の特徴と向かない人の傾向
- 観光学部の強い大学・国公立・大学ランキングの比較ポイント
観光学部はやめとけと言われるのは本当なのか?
観光学部への進学を検討していると、「本当に就職に強いのか?」「学んだ内容は社会で役立つのか?」といった不安や疑問を抱く人も多いでしょう。特に「やめとけ」といった否定的な声に触れると、一歩踏み出すのが怖くなることもあります。
ここからは、観光学部に関するよくある誤解やデメリットの実態、就職・年収事情、さらには大学ごとの学びの質や国公立大学の特徴まで、進路選びに必要な具体的な情報を詳しく紹介していきます。
観光学部のデメリットと誤解されがちな点
観光学部には魅力が多くある一方で、進学前に理解しておくべきデメリットも存在します。そして、そのデメリットの多くが実際には“誤解”や“情報不足”に基づくものです。
まずよく挙げられるのが、「学ぶ内容が浅い」「専門性に欠ける」といった声です。観光学は地理・経済・文化・歴史・マーケティング・語学など、非常に幅広い分野を横断的に学ぶ学問であるため、特定の領域に深く入り込むことが少なく、結果的に“浅い”という印象を持たれがちです。
しかしこれは、観光学の「広い視野を育てる」という目的を理解しないまま、他学部と同じ基準で比較してしまうことに原因があります。
また、「自由な時間が少ない」「課題が多くて大変」といった点もデメリットとして語られることがあります。観光学部の学生は課題や試験勉強に多くの時間を費やしているといった声もあり、実際にレポートやプレゼンテーション、グループワークが頻繁に行われる学部です。
文部科学省の調査では、観光学部の学生は他学部と比べて課題や試験勉強に多くの時間を費やしている傾向があり、実際にレポートやプレゼンテーション、グループワークが頻繁に行われる学部です。
特にフィールドワークやインターンシップが必修の場合もあり、体験型学習が多いためにスケジュールが過密になりがちです。
さらに、「観光業界はブラックだ」「学費に見合うだけのリターンがない」といった否定的な見方もあります。観光業界は繁忙期の勤務や長時間労働が問題視されがちで、給与水準も他業界に比べて低めな傾向があるため、「割に合わない」という意見に繋がります。
しかしながら、観光学部で学んだスキルは観光業界に限らず、企画職・サービス業・行政職など幅広く応用が可能であるため、卒業後の選択肢は多岐にわたります。
観光学部に対する「なんとなくのイメージ」や狭い情報に基づく評価ではなく、その実態や可能性を正しく理解することが、進学を検討するうえで非常に重要です。
多角的な視点を育てるという観光学の本質を見失わなければ、デメリットとされている点も「成長機会」として捉えられるはずです。
観光学部は就職に不利はというのは本当?
「観光学部は就職に不利」と言われることがありますが、実際にはそうとは限りません。この見方は観光学部に対する誤解や、就職活動における戦略の立て方によって生まれているものです。
確かに、観光業界は給与水準が低めで、職場によっては勤務条件が厳しいこともあるため、観光学部=観光業界=就職が大変、という単純な構図で語られることがあります。
加えて、「観光学部は何を学んでいるのか分かりにくい」と感じる採用担当者も一部存在し、アピールの仕方によっては印象が薄くなりがちです。
しかし実際には、観光学部の就職先は旅行会社やホテル、テーマパークだけにとどまりません。地方自治体の観光課や観光コンサルティング会社、イベント企画、ブライダル業界、さらにはIT企業や製造業といった観光以外の業界にも進出している学生は多くいます。
観光学部で学ぶ内容が「地域の課題解決」「多文化理解」「マーケティング」「コミュニケーション力」など、汎用性の高いスキルを含んでいるため、多様なフィールドで活躍できる基盤になっているのです。
実際、観光学部を有する大学の就職率は総じて高く、例えば和歌山大学や立教大学などの観光学部では、就職内定率が90%を超える年も少なくありません。
これは、観光学部のカリキュラムにインターンシップやフィールドワーク、語学教育などの実践的プログラムが組み込まれていることが、学生の社会的即戦力を高めているからです。
要するに、観光学部が就職に不利なのではなく、「観光=旅行業界しかない」という固定観念と、「学びをどうアピールするか」の準備不足が就職活動を難しくしている原因なのです。
自分の興味や学んだ内容をもとに、「どのように企業に貢献できるか」を明確に伝えられるかどうかがカギになります。
観光学部の就職活動では、広い視野と柔軟な思考力、そして実践経験をどう活かすかが問われます。それを正しく活用すれば、むしろ“観光学部だからこそ”評価される場面は確実に存在します。
観光学部卒で就職すると年収はどれくらい?
観光学部を卒業した場合の初任給・年収は、他学部に比べてやや低めの傾向があります。
具体的には20代で300万円前後、職種や企業規模によっては350万円〜400万円を超えるケースもありますが、平均的にはおおよそ280万円台とされており、dodaによる学部別の年収ランキングでも観光学部は下位に位置づけられています。
このような年収傾向の背景には、観光学部の学生が多く進む業界の特徴が影響しています。旅行代理店、ホテル、航空会社、テーマパーク、ブライダル業界など、サービス業に属する職種が中心であるため、全体的に給与水準は控えめです。
特にホテル業や旅行業では、繁忙期や深夜対応が必要になるなど労働時間が長く、それに対して報酬が割に合わないと感じる人も少なくありません。
ただし、それはあくまで「最初の年収」の話です。観光学部出身者の中には、語学力やホスピタリティマネジメントの知識を活かし、外資系ホテルや国際的な観光企業へキャリアアップする人もいます。
また、観光関連のIT企業やマーケティング会社など、BtoB領域に進んだ場合、平均以上の年収を狙うことも十分に可能です。
観光業界で高年収を得るためには、資格や専門性を高める努力も必要です。たとえば、旅行業務取扱管理者や通訳案内士、TOEICなどの資格を取得しておくと、業務の幅が広がり、昇進や転職に有利になります。
また、現場経験とマネジメントスキルを磨けば、管理職としての道も開かれ、30代以降の収入増につながります。
観光学部出身者の年収は、スタートラインこそ控えめですが、自らの努力次第で年収を大きく引き上げることは可能です。業界選びとスキル構築の戦略が、将来の年収を大きく左右する鍵となるでしょう。
観光学部の強い大学とは?学びの質に注目
観光学部を選ぶうえで、「どの大学が強いか」は将来のキャリア形成に直結する重要な判断材料です。観光学はまだ比較的新しい学問分野のため、大学によってカリキュラムの質や研究の方向性に大きな差があります。
就職実績や海外研修、フィールドワークの充実度など、総合的な教育環境に注目することが大切です。
全国的に高い評価を受けているのが立教大学観光学部です。ここでは、都市観光やホスピタリティ産業に特化した授業が豊富で、実際の観光施設や企業と連携した実践的な学びが可能です。
また、企業との共同プロジェクトやインターンシップ制度が整備されており、卒業後の進路も旅行会社や航空業界、観光庁など多岐にわたります。知名度の高さと教育内容のバランスに優れている点が特徴です。
一方、和歌山大学観光学部は、日本初の観光学部として地域密着型の観光教育に力を入れています。観光とまちづくり、地域活性化に関する科目が充実しており、自治体やNPOとの協働プロジェクトを通して、実際の地域課題に取り組む力が養われます。
地域創生に興味のある学生には非常におすすめの環境です。
また、東洋大学国際観光学部は、国際的な視点から観光を学びたい人に適しています。海外研修や英語科目に力を入れており、グローバルな舞台で観光を捉える教育が受けられます。ディズニー研修プログラムなどユニークな実地学習も魅力です。
観光学部の「強さ」は、単なる偏差値では測れません。実務経験を重視する学び、卒業後の進路の広さ、そして地域や国際社会とのつながりをどう築けるかが、本質的な評価基準です。学びたい内容と将来の目標に合致した大学を選ぶことで、観光学部の価値を最大限に活かすことができます。
国公立の観光学部はどんな特徴がある?
国公立の観光学部は、学費の安さや研究水準の高さに加えて、地域との密接な連携による「実践的な学び」が大きな強みです。
民間企業との接点が多い私立大学に対し、国公立大学では公共政策や地域創生、サステナブルツーリズムなど、より学問的・社会的な視点から観光を深掘りする傾向があります。
代表的なのが、和歌山大学観光学部です。日本で初めて「観光学部」という名称を冠した国公立大学であり、設立当初から観光を学問として体系化しようという先駆的な姿勢が特徴です。
地元和歌山県の観光資源や地域課題を題材に、実際に地域に入り込んで課題解決を図る「プロジェクト型授業」が豊富に用意されており、机上の知識だけでは得られない実地体験が可能です。
金沢大学では、融合学域 観光デザイン学類という独自の学科構成で観光を学びます。文化や歴史、美術といった視点を重視し、地域文化を観光資源に変えるための創造的アプローチが学べる点が魅力です。観光を「デザイン」と捉える視点は、他大学にはあまり見られない特徴です。
また、琉球大学の国際地域創造学部では、沖縄という観光地を舞台に、インバウンド観光・リゾート開発・環境問題など、独自の観光課題に触れることができます。日本有数の観光地にある国立大学として、現地でしか得られない実践知に富んだ学習が可能です。
国公立の観光学部では、地域社会とつながる実地教育が強化されているため、自治体職員や観光行政、地域政策に関心のある人にはとても向いています。
また、私立と比べて学費も抑えられ、研究室での学びやゼミ活動も重視される傾向にあるため、じっくりと観光を学問として探究したい人にも最適です。
つまり、国公立の観光学部は「観光を通じて社会を良くする」という視点を重視する傾向があり、観光をビジネスというよりも、地域貢献や政策の一環として捉える学びが中心になります。実直かつ社会的な価値を追求したい学生にとって、非常に有意義な学習環境といえるでしょう。
観光学部はやめとけと言われるのを覆す価値とは
観光学部の学びがどんな仕事に結びつくのか、自分に向いているのかどうか、そしてどの大学を選べばよいのか——これらは進学を真剣に考える上で欠かせない視点です。
ここからは、観光学部の知識が活かせる具体的な仕事や、観光分野で力を発揮しやすい人の特徴、憧れのディズニーに関わる道筋、大学選びのポイント、そしておすすめの大学ランキングまで、実践的な情報を詳しく解説していきます。
観光学部で学んだ知識は活かせる仕事が多い
観光学部で得た知識やスキルは、観光業界に限らず幅広い分野で活かすことができます。観光というテーマは、経済・文化・まちづくり・国際交流・サービスといったさまざまな領域と密接に関わっており、その学びは多くの仕事に通用する実践的なものです。
観光学部では、旅行企画、マーケティング、地域ブランディング、インバウンド政策、異文化理解、ホスピタリティなどを学びます。これらの学びは、観光業界だけでなく、行政、民間企業、国際機関、イベント業界、さらには教育やコンサルティングなど多様な職種に応用可能です。
たとえば、旅行会社やホテルといった観光サービスの現場では、観光学部で培った「人をもてなす力」や「観光消費の分析力」が直接役立ちます。
また、地域活性化に携わるNPOや自治体観光課では、「地域資源をどのように魅力化するか」「観光でどう人を呼び込むか」といった戦略が求められます。これらは、観光学部で学ぶ「地域マネジメント」や「まちづくり」の内容が活きる場面です。
さらに、観光におけるマーケティングやSNS発信の知識は、広告代理店やデジタルマーケティング会社、企業の広報職などにも応用可能です。
最近では、観光DX(デジタル・トランスフォーメーション)にも注目が集まっており、ICTやアプリ開発、データ分析スキルを観光に応用する人材のニーズも高まっています。
観光学部は、特定の専門スキルを深掘りするというよりも、「複合的な問題をどう解決するか」を多角的に学ぶ学問です。そのため、企画力・発信力・調整力といった“総合的な実行力”が磨かれ、これが多くの仕事で求められる人材像と合致します。
「観光=旅行業」と限定的に考えると進路が狭く感じられるかもしれませんが、実際はその逆です。観光学部の学びは社会の広範な分野と結びついており、自分の志向や強みに応じて柔軟にキャリアを選べる可能性に満ちています。
観光学部に向いてる人の特徴とは
観光学部は、人との関わりや地域とのつながりを軸にした学問であるため、特定の気質や価値観を持つ人にとって非常に適した学部です。自分の個性や将来像と照らし合わせて「向いているかどうか」を見極めることは、後悔のない進路選びに直結します。
観光学部に向いている人の特徴としてまず挙げられるのは、「人とのコミュニケーションが好きな人」です。
観光は、相手に喜んでもらうこと、心地よい体験を届けることが本質であり、人と関わる場面が非常に多い分野です。特にホスピタリティやサービス精神を自然に発揮できる人は、観光の現場で大きな力を発揮します。
次に、「地域や社会に興味がある人」も観光学部に向いています。観光は地域振興やまちづくりとも密接に関わるため、「地域の良さを広めたい」「社会の課題を観光で解決したい」といった社会貢献志向を持つ人は、学びに強い意義を見出すことができます。
現地に足を運ぶフィールドワークや、自治体・地域住民との協働プロジェクトなどが多く、地域課題とリアルに向き合う学びが中心です。
また、「好奇心旺盛で多分野に興味を持てる人」も適性があります。観光学は、地理、経済、文化、心理学、マーケティング、語学など、学ぶ分野が非常に広いため、ひとつの専門にとどまらず幅広い知識を組み合わせたい人には理想的な学部です。
そして、「柔軟な発想ができる人」「企画や発信が得意な人」も、観光学部で力を伸ばしやすいタイプです。観光資源の発掘やプロモーションには創造力と戦略性が求められます。
アイデアを形にするプロセスや、魅力を言語化・可視化する力が重要な場面が多いため、自ら考え、行動する力を持つ人には最適な学びの場です。
逆に、「人と関わるのが苦手」「ルーティンワークが好き」「専門性を深く突き詰めたい」タイプの人にとっては、観光学部の学びはやや負担になることがあります。観光学は常に“動きがある”学問であり、変化や現場での経験を受け入れる柔軟性が求められます。
観光学部は、自分の個性を活かして、実社会に繋がる学びをしたい人にとって、非常に充実した進路になります。自分の興味や価値観にフィットするかどうかを丁寧に見つめることが、後悔しない進学の第一歩となるでしょう。
観光学部でディズニーに関わるには?

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観光学部を卒業してディズニーに関わる仕事に就くことは十分に可能です。ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド社では、観光学部で培ったホスピタリティ精神やサービス設計、マーケティングの知識を活かせる職種が多く存在します。
観光業界におけるディズニーの存在は別格であり、その一員として働くことは高い競争力が求められる反面、大きなやりがいもあります。
まず、ディズニー関連の仕事には「キャスト(現場スタッフ)」「本社勤務の総合職」「イベント企画・広報」「マーケティング」「インバウンド施策」など多岐にわたるポジションがあります。
観光学部で学ぶホスピタリティ・顧客満足度(CS)の理論や、インバウンド対応、地域資源の活用ノウハウは、これらの業務と非常に親和性が高いのが特徴です。
実際に立教大学や東洋大学など、観光学に力を入れている大学では、学生がディズニーでのインターンシップや研修プログラムに参加する例もあります。
特に東洋大学では、ディズニー研修をカリキュラムの一部として組み込んでおり、サービス品質の高さや現場オペレーションを実地で学べる環境が整っています。このような経験は、採用選考の場でも評価される可能性が高く、就職後に即戦力として期待される場面もあります。
ディズニーで働くためには、観光学部での学びに加えて、語学力(英語・中国語など)やチームマネジメント経験、そして「人を楽しませたい」という明確なビジョンがあることが重要です。
大学在学中からアルバイトでキャスト経験を積んだり、テーマパークビジネスを研究するゼミに所属するなど、関連性の高い経験を積むことで将来の選択肢が広がります。
観光学部の知識は、単なる接客スキルにとどまらず、ディズニーのような複合観光施設全体の運営や企画に携わるための基盤になります。
単なる「夢の国」で終わらせず、自身の学びを武器にプロフェッショナルとして活躍したいと考える学生にとって、観光学部からディズニーに関わる道は非常に現実的かつ魅力的な選択肢です。
観光学部はどこがいい?大学選びのコツ
観光学部への進学を考える際、「どこの大学がいいのか?」という問いは非常に重要です。なぜなら、観光学は大学によってカリキュラムの方向性や実践機会の数、就職先とのつながりが大きく異なるからです。
大学選びで失敗しないためには、自分の興味や将来のビジョンと大学の教育方針が合っているかを見極めることが必要です。
まず注目すべきは「観光学のどの分野に強いか」です。観光学部と一口にいっても、地域創生・国際観光・ホスピタリティ・文化・ICT・交通など扱う分野は多岐にわたります。
たとえば地域づくりに関心があるなら和歌山大学、都市観光や国際観光を重視したいなら立教大学、グローバル人材育成に関心があるなら東洋大学など、各大学の特徴をよく調べることが大切です。
次に確認したいのは、「実践型の学習機会が充実しているかどうか」です。観光学は現場経験が重要なため、インターンシップ、フィールドワーク、企業連携プロジェクトなどの機会が豊富な大学ほど、実社会で活かせる力を養いやすくなります。
また、海外研修や語学プログラムの充実度も、将来的にインバウンドや国際業務に携わる上で重要な要素になります。
また、就職支援体制もチェックすべきポイントです。観光学部の卒業生がどのような業界・企業に進んでいるか、学部独自のキャリア支援があるか、OB・OGネットワークが活用できるかなど、大学の“出口戦略”を確認しましょう。
最後に、大学が持つ「業界とのつながり」も重要です。航空会社・ホテルチェーン・自治体・観光協会などとの連携授業や就職実績がある大学は、学びが実務と直結しやすく、キャリアに結びつきやすい環境といえます。
観光学部は大学によって特色が大きく異なるため、「偏差値」や「知名度」だけで選ばず、自分の進みたい方向性と大学の教育スタイルが合っているかを軸に考えることが、後悔のない選択につながります。
観光学部の大学ランキングで見るおすすめ校
観光学部の進学先を選ぶ際、大学ランキングを参考にするのは有効な手段です。ランキングは単なる偏差値だけでなく、教育内容、研究成果、学生の満足度、就職実績など多面的な要素が反映されており、客観的な比較の材料になります。
ここでは、「観光学に強い」と評価されている大学をいくつか紹介します。
まず、観光学部ランキングの上位常連とされるのが立教大学観光学部です。都市観光、ホスピタリティ、国際観光に特化した教育が特徴で、観光業界とのパイプも強く、多くの卒業生が大手航空会社、ホテル業界、観光庁などに就職しています。
東京という立地を活かし、現場に近い環境で学べるのも魅力です。
次に評価が高いのが、和歌山大学観光学部です。日本で最初に観光学部を設立した大学として、地域に根ざした観光政策、まちづくり、地域経営を学べる点で定評があります。文部科学省や自治体との共同プロジェクトも多く、実践的な教育が充実している点が評価されています。
また、東洋大学国際観光学部も近年注目を集めており、語学教育や海外研修に力を入れ、グローバル観光に強い人材を育成しています。特にディズニーとの研修連携プログラムなど、ユニークな実践教育が高く評価されています。
国公立大学では、琉球大学・金沢大学・高崎経済大学なども観光関連学科を有しており、それぞれ地域性を活かした教育を展開しています。特に金沢大学は、文化観光や歴史観光に重きを置いた学問的アプローチが特徴で、観光を“デザイン”として捉える先進的な視点が魅力です。
ランキング上位の大学は、観光学を「学問」としてだけでなく「実践」として学べる環境が整っており、卒業後の進路にも明確な強みを持っています。
進学先を選ぶ際は、ランキングの位置づけを参考にしつつ、自分の学びたい方向性や将来のキャリアと一致しているかどうかを重視するとよいでしょう。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 「観光学部はやめとけ」という意見は誤解や情報不足に基づくことが多い
- 観光学部は幅広い分野を横断的に学ぶため、専門性に欠けると見られがち
- 観光業界の給与はやや低めだが、キャリアアップ次第で年収向上も可能
- 「就職に不利」とは一概に言えず、観光以外の業界にも広く進出できる
- 観光学部の学びはディズニーやイベント業界など多様な仕事に活かせる
- 国公立の観光学部は学費が安く、地域密着型の実践的学びが特徴
- 私立大学は企業連携やグローバル教育に強みがある
- 観光学部に向いてる人は、人と関わることや地域貢献に興味がある人
- 大学選びは「どこがいいか」よりも、学びの方向性との相性が重要
- 大学ランキングは就職実績や実践教育の充実度で評価するのがポイント
観光学部は「やめとけ」と言われがちですが、実態は誤解や偏見に左右されている部分が多くあります。
地域や人とのつながりを軸に、実践的で社会に直結する学びを得られるのが観光学部の本質です。
自分の興味や将来の方向性に合致しているかを丁寧に見極めることで、進学の価値は大きく変わります。この記事を通して、表面的な噂に惑わされず、納得できる進路選びの一助となれば幸いです。