タイムズカーシェアを利用して子どもとのお出かけを計画する際、多くの方がチャイルドシートの扱いに頭を悩ませます。法律で着用が義務であることは知っていても、そもそもタイムズカーシェアでの借り方はどうなっているのか、新生児を乗せる場合はどうするのか、といった疑問が次々と浮かぶのではないでしょうか。
近くに対象ステーションがない現実や、ジュニアシート廃止の動きもあり、結局チャイルドシートは持ち込みするしかないのか、みんなはどうしてるのか気になりますよね。しかし、その持ち込みも取り付けが面倒だったり、チャイルドシート予約の手間を考えると、なかなか一歩が踏み出せないかもしれません。
この記事では、そんなタイムズカーシェアのチャイルドシートに関するあらゆるお悩みを解決します。オプションサービスである乗り捨て可能ステーションやその乗り捨て予約の方法にも触れつつ、現状で最善の選択肢を分かりやすく解説していきます。
- タイムズカーシェアのチャイルドシートに関する公式ルール
- チャイルドシートを持ち込む場合の現実的な方法と注意点
- 持ち運びに便利なチャイルドシートの具体的な選び方
- 順次廃止されているジュニアシートの最新情報と今後の対策
タイムズカーシェアのチャイルドシート情報
- チャイルドシートの着用は法律上の義務
- オプションとしての借り方とチャイルドシート予約
- 貸出可能な対象ステーションはどこにある?
- 近くに対象ステーションがない場合の対処法
- 便利な乗り捨て可能ステーションと乗り捨て予約
チャイルドシートの着用は法律上の義務
まず最も重要な大前提として、6歳未満の幼児を自動車に乗せる際のチャイルドシート(幼児用補助装置)の使用は、道路交通法第71条の3第3項で定められた運転者の義務です。これは、ご自身のマイカーやレンタカーはもちろんのこと、タイムズカーシェアのようなカーシェアリングサービスを利用する場合でも一切の例外なく適用されます。
この義務に違反した場合、行政処分の対象となり、運転免許の基礎点数として「幼児用補助装置使用義務違反」で1点が加算されます。反則金はありませんが、点数の累積は免許停止などの処分につながる可能性があります。
しかし、こうした罰則以上に重要なのは、チャイルドシートが万が一の事故の際にお子様の命を守るための最も効果的な安全装置であるという事実です。大人の身体を基準に設計されているシートベルトは、身体の小さな子どもには適合せず、かえって首や内臓を圧迫して重篤な傷害につながる危険性があります。お子様の安全な乗車環境を確保することは、運転するすべての保護者の責任です。
タクシーなど一部の例外について
ちなみに、道路交通法施行令第26条の3の2第3項により、タクシーやバス、ハイヤーといった事業用の旅客自動車に乗車する場合は、チャイルドシートの使用義務が免除されています。これは、利用のたびに異なる体格の子どもに対応したチャイルドシートを用意することが現実的ではないためです。ただし、これはあくまで法律上の例外措置であり、安全が保障されるわけではありません。可能な限り、お子様の安全を最優先に考え、カーシェア利用時は必ずチャイルドシートを使用しましょう。
オプションとしての借り方とチャイルドシート予約
タイムズカーシェアでは、一部のステーション限定でチャイルドシートをオプションサービスとしてレンタルすることが可能です。これにより、自分で用意することなく利用できる場合がありますが、利用にはいくつかの条件と手順を理解しておく必要があります。
結論から言うと、ごく一部の「オプションサービス対象ステーション」でのみレンタルが可能であり、ほとんどのステーションではこのサービスを提供していません。
レンタル料金と対象チャイルドシートの詳細
レンタル可能なチャイルドシートのスペックは、新生児から安心して使えるように配慮されています。詳細は以下の通りです。
料金 | 1,100円/台(1回の利用ごと) |
---|---|
対象年齢 | 新生児~4歳頃まで |
適応体重 | 2.5kg~18kg |
身長目安 | 40cm~105cm |
安全な固定方式 | ISOFIX(アイソフィックス)対応 |
その他 | 車内に分かりやすい取付マニュアルが常備 |
ISOFIXに対応しているため、対応車両であれば簡単かつ確実に取り付けが可能です。新生児から4歳頃までと、最もチャイルドシートが必要となる期間を幅広くカバーしているのは嬉しいポイントです。
予約方法と絶対に知っておくべき注意点
チャイルドシートをレンタルする場合、車両を予約する際にオプションとして追加選択する必要があります。しかし、この予約プロセスには非常に重要な注意点が存在します。
Webサイトからの予約が必須
チャイルドシートのオプション予約は、現在のところタイムズカーシェアの公式アプリからは行えません。必ず、パソコンまたはスマートフォンのWebブラウザから会員ページにログインして手続きを行う必要があります。日常的にアプリで予約を完結させている方にとっては、見落としがちなポイントですので十分に注意してください。
利用を検討している場合は、まずタイムズカーシェア公式サイトで対象ステーションを検索し、利用日時を決めた上で、Webサイトから車両とチャイルドシートを同時に予約する、という流れになります。
貸出可能な対象ステーションはどこにある?
前述の通り、チャイルドシートをレンタルできるのは一部の対象ステーションに限られます。では、具体的にどのような場所に対象ステーションが設置されているのでしょうか。
公式の発表によると、その多くが空港(例:新千歳空港、羽田空港、伊丹空港、福岡空港など)や、主要な新幹線の停車駅(例:東京駅、新大阪駅、博多駅など)、そして大規模な商業施設や観光地の周辺に限定されているのが現状です。
これらの場所に設置されている理由は、旅行や帰省、出張などで遠方から訪れた利用者のニーズに応えるためと考えられます。つまり、「自宅の近所で少し買い物のために借りたい」「子どもの送迎で使いたい」といった、地域住民の日常的な利用シーンでのレンタルはほとんど想定されていない、ということです。
ご自身の生活圏内に対象ステーションが存在するかどうかを確かめる最も確実な方法は、タイムズカーシェアの公式サイトにある「ステーション検索」機能を利用することです。検索条件の詳細設定で、オプションサービスの中から「チャイルドシート」にチェックを入れて検索すれば、対象ステーションのみを地図上に表示させることができます。多くの場合、期待していた場所にはないという結果になるかもしれませんが、一度確認しておくことが重要です。
近くに対象ステーションがない場合の対処法
多くの方にとって、「家の近くにチャイルドシートを借りられるステーションがない」という厳しい現実に直面することになるでしょう。その場合、選択肢は実質的に一つしかありません。
それは、利用者自身でチャイルドシートを用意し、利用の都度クルマに持ち込むという方法です。これが、現在の子育て世帯におけるタイムズカーシェア利用の、いわば「スタンダード」な形となっています。
自分で用意する方法としては、主に「購入する」か「レンタルする」の2つが考えられます。それぞれのメリット・デメリットを比較し、ご自身の利用頻度やライフスタイルに合った方法を選びましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
購入する | ・いつでも好きな時に使える ・長期的に見ればコストを抑えられる ・自分に合った最適なモデルを選べる |
・初期費用が高い ・保管場所が必要になる ・子どもの成長に合わせて買い替えが必要 |
レンタルする | ・初期費用を抑えられる ・保管場所が不要 ・必要な期間だけ利用できる ・購入前のお試しとしても使える |
・利用の都度、予約や配送の手間がかかる ・長期利用すると購入より割高になる ・希望のモデルが借りられない場合がある |
「ベビレンタ」のようなベビー用品専門のレンタルサービスでは、1週間程度の短期間から1年以上の長期間まで、様々なプランでチャイルドシートを借りることが可能です。どちらの方法を選ぶにせよ、毎回自分で車両への取り付け・取り外しを行う手間は発生します。この「持ち込み」という現実を前提として、次の章で具体的な対策を詳しく解説していきます。
便利な乗り捨て可能ステーションと乗り捨て予約
チャイルドシートの話題とは少し離れますが、タイムズカーシェアの利便性を飛躍的に向上させるオプションサービスとして「乗り捨てサービス」があります。このサービスも、チャイルドシートと同様に一部の対象ステーションでのみ利用可能です。
このサービスは、出発したステーション(借りた場所)とは異なるステーションにクルマを返却できるというもので、行動の自由度を格段に上げてくれます。例えば、以下のようなシーンで絶大な効果を発揮します。
乗り捨てサービスが活躍する具体例
- 片道だけの利用:「行きは電車で移動し、大きな家具や大量の買い物をした帰りだけクルマを使いたい」といった場合。
- 空港や駅へのアクセス:「自宅から空港まで家族と荷物を乗せて移動し、そのまま旅行に出発する」といった場合。
- 引っ越しや帰省:「実家への帰省で、片道だけ運転したい」といった長距離移動。
乗り捨てサービスには、通常の利用料金(時間料金+距離料金)に加えて、車両クラスに応じた以下の追加料金が発生します。
- ベーシック:3,300円/回
- ミドル:3,850円/回
- プレミアム:4,400円/回
予約はチャイルドシートと同様に、Webサイトからの手続きが必要です。旅行や帰省などで大きな荷物と子どもを連れて移動する際には、チャイルドシートの持ち込みと、この乗り捨てサービスをうまく組み合わせることで、非常に快適な移動が実現できるでしょう。
持ち込み前提のタイムズカーシェアチャイルドシート対策
- みんなはチャイルドシートを一体どうしてる?
- 主流はやはりチャイルドシートの持ち込み
- 新生児から使えるシート選びのポイント
- 車両への取り付け方法と注意点
- 毎回の持ち運びが面倒という課題の解決策
- ジュニアシート廃止の現状と今後の注意点
- 総括:最適なタイムズカーシェアチャイルドシート利用法
みんなはチャイルドシートを一体どうしてる?
タイムズカーシェアを利用している子育て世帯は、このチャイルドシート問題をどのように乗り越えているのでしょうか。SNSやブログなどの体験談を総合すると、やはり「自前で用意したチャイルドシートを、利用の都度持ち込む」というスタイルが圧倒的多数を占めています。
カーシェアの最大のメリットである「いつでも手軽に」というイメージとは少し矛盾するように感じられるかもしれませんが、これがチャイルドシートが必要な期間における、現実的で唯一の解決策となっているのが現状です。
多くのユーザーは、少しでも手間を減らすために、独自の利用フローを確立しています。その一例を見てみましょう。
多くの家庭で実践されている一般的な利用フロー
- STEP1:運転者が先にステーションへ
まず運転者一人が徒歩や自転車でカーステーションへ向かい、予約したクルマをピックアップします。 - STEP2:自宅近くまでクルマを移動
ピックアップしたクルマを、自宅マンションのエントランス前など、チャイルドシートや家族を乗せやすい場所まで移動させます。※長時間の停車は交通の妨げになるため、迅速に行う必要があります。 - STEP3:チャイルドシートと家族が乗車
自宅から待機していた家族がチャイルドシートを持ってきて、クルマに設置します。設置完了後、子どもを乗せてから出発します。
返却時はこの逆の手順を踏むことになります。保護者一人のワンオペで利用する場合や、天候が悪い日などは、ベビーカーなどを活用して家族全員でステーションまで移動し、その場でチャイルドシートを取り付けるといった対応も必要になります。
主流はやはりチャイルドシートの持ち込み
前述の通り、チャイルドシートの持ち込みが主流となっているのには明確な理由があります。それは、タイムズカーシェア以外のカーシェアリングサービスを見ても、状況はほとんど変わらないからです。
ここで、改めて主要なカーシェアサービスのチャイルドシート対応状況を比較してみましょう。この現状を理解することが、ご自身の対策を考える上での第一歩となります。
カーシェア会社 | チャイルドシート(~4歳頃) | ジュニアシート(4歳頃~) | 備考 |
---|---|---|---|
タイムズカー | 一部ステーションで有料レンタル可 | 順次廃止・撤去中 | 業界内では唯一レンタル選択肢があるが、設置数は極少。 |
三井のカーシェアーズ | 貸し出しなし | 順次廃止・撤去中 | 以前は一部で無料貸出もあったが、現在はサービスを終了。 |
日産シェアモビ | 貸し出しなし | 標準装備(※今後の動向に注意) | ジュニアシートはまだ装備されているが、他社の動向を見ると将来は不明。 |
このように、乳幼児向けのチャイルドシートをレンタルできる選択肢は、事実上タイムズカーが最後の砦ですが、それもごく一部に限られています。カーシェア事業者がチャイルドシートの設置に消極的な背景には、複数のモデルを用意するコスト、定期的なメンテナンスや清掃の手間、衛生面での懸念、そして何より設置ミスによる事故のリスクを避けたいという運営上の判断があると考えられます。
これらの理由から、どのカーシェアサービスを選ぶにしても、基本的にチャイルドシートは利用者自身が責任を持って用意する必要があると考えるのが最も現実的なのです。
新生児から使えるシート選びのポイント
カーシェアでの利用を前提に、特にデリケートな新生児から使えるチャイルドシートを選ぶ際には、通常の選び方とは異なる、よりシビアな視点が必要です。持ち運びと安全性を両立させるための重要なポイントを3つご紹介します。
カーシェア向けチャイルドシート選びの3つの最重要ポイント
- 圧倒的な「軽量性」:自宅とステーション、車両の間を毎回運ぶため、本体重量が7kg以下を目安に、できるだけ軽いモデルを選ぶことが絶対条件です。特に、マンションの高層階にお住まいの方や、女性が一人で運ぶことを想定すると、この「軽さ」が利用のハードルを大きく左右します。
- シンプルで「簡単な取り付け方法」:毎回設置するため、複雑な手順が必要なモデルは避けるべきです。シートベルト固定式の中でも、ベルトを通す経路が分かりやすく、短時間で確実に固定できるものが望ましいです。ISOFIX固定式は確実ですが、重いモデルが多い傾向にあるため、重量とのバランスを考慮する必要があります。
- 最新の「新安全基準R129適合」:現在、チャイルドシートの安全基準には旧基準「R44」と新基準「R129(i-Size)」があります。R129は、より現実に近い側面衝突試験が義務付けられるなど、安全性が格段に向上しています。これから購入するなら、万が一の際に赤ちゃんを守る性能が高いR129適合品を選ぶことを強く推奨します。
項目 | 旧基準 R44/04 | 新基準 R129 |
---|---|---|
適合基準 | 体重(例:9kg~18kg) | 身長(例:76cm~105cm) |
乗車方向 | 生後9ヶ月頃から前向き可能 | 生後15ヶ月未満まで後ろ向き必須 |
衝突試験 | 前後からの衝突試験のみ | 前後+側面からの衝突試験が追加 |
これらの条件を満たす製品として、Joie(ジョイー)の「ステディR129」や、日本育児の持ち運びやすさに特化した「トラベルベストEC Fix」などが、多くのカーシェアユーザーから支持を集めています。
車両への取り付け方法と注意点
ご自身でチャイルドシートを持ち込んだら、次は車両への確実な取り付けです。安全なドライブのためには、この工程が最も重要と言っても過言ではありません。タイムズカーシェアで利用できる車両の多くは、2種類の固定方法に対応しています。
ISOFIX(アイソフィックス)固定
2012年7月以降に発売されたすべての乗用車には、後部座席にISOFIXアンカーの装備が義務付けられています。タイムズカーシェアの車両もほとんどがこれに該当するため、ISOFIX対応のチャイルドシートであれば、車両の金具にコネクターを「カチッ」と差し込むだけで、誰でも簡単かつ確実に固定できます。ミスが起こりにくく、最も安全な固定方法とされています。
シートベルト固定
ISOFIXに対応していないチャイルドシートや車両の場合は、車両に備え付けの3点式シートベルトを使って固定します。この方法は、チャイルドシートの指定された経路にシートベルトを正しく通し、緩みがないように強く締め上げる必要があります。
特に重要なのは、最後にシートベルトのバックル付近で体重をかけ、チャイルドシートを座席に強く押し付けながらベルトのたるみを完全に取り除くことです。
取り付け時の重要注意点
- 車種選びが作業性を左右する:後部ドアが大きく開くスライドドアの車種(例:ソリオ、シエンタ、フリードなど)は、作業スペースを広く確保できるため、チャイルドシートの取り付けが格段に楽になります。逆に、セダンやコンパクトカーのヒンジ式ドアは、身体を入れるスペースが狭く、作業がしにくい場合があります。車種を選ぶ際は、この点も考慮に入れると良いでしょう。
- 出発前の「ぐらつきチェック」を習慣に:取り付けが完了したと思っても、必ず最後にチャイルドシートの上部を掴み、前後左右に揺すってみてください。この時、3cm以上大きくぐらつく場合は、固定が不十分です。もう一度、取り付け手順を見直しましょう。この一手間が、お子様の安全を守ります。
毎回の持ち運びが面倒という課題の解決策
チャイルドシートの持ち運びと取り付けが「面倒」「大変」という、カーシェア利用における最大の課題。この課題を抜本的に解決するための最も効果的でスマートな選択肢が「トラベルシステム」の導入です。
トラベルシステムとは、主に新生児期に使用するカゴ型のチャイルドシート(ベビーシート)が、対応するベビーカーにドッキングして一体化できる製品群のことを指します。これを利用することで、信じられないほどスムーズな移動が実現します。
トラベルシステムが可能にするシームレスな移動体験
- 【自宅】まず、家の中で赤ちゃんをベビーシートに乗せ、すやすやと眠らせます。
- 【移動】そのベビーシートを専用ベビーカーに「カチッ」と装着。そのままエレベーターに乗り、カーステーションまで快適に移動します。
- 【車へ】ステーションに到着したら、ベビーシートをベビーカーから取り外し、そのままチャイルドシートとして車内に設置します。
- 【収納】残ったベビーカー本体は、コンパクトに折りたたんでトランクに収納し、出発準備完了です。
この一連の流れの中で、眠っている赤ちゃんを一度も起こすことなく、また重いチャイルドシートを腕で抱えて運ぶという重労働からも解放されます。
もちろん、トラベルシステムには「対応製品一式を揃えると高価になる」「ベビーシートとして使える期間が1歳~1歳半頃までと比較的短い」といったデメリットも存在します。しかし、その圧倒的な利便性は、特にカーシェアを頻繁に利用するご家庭にとって、それらのデメリットを補って余りある価値があると言えるでしょう。購入だけでなく、レンタルサービスで試してみるのも賢い選択です。アップリカの「エアキャリー」やマキシコシの「ペブル360」などが、代表的な人気製品です。
ジュニアシート廃止の現状と今後の注意点
これまでは、4歳頃から利用できるジュニアシートがタイムズカーシェアの多くの車両に標準装備(トランクなどに収納)されており、チャイルドシート卒業後の子育て世帯にとって非常に大きなメリットでした。しかし、この便利なサービスが今、終わりを告げようとしています。
タイムズカーシェアを含む多くのカーシェア会社で、2024年頃からジュニアシートの標準搭載が順次終了し、既存車両からの撤去も進められています。
なぜジュニアシートが廃止されてしまうのか?
この大きな方針転換の背景には、前述したチャイルドシートの安全基準の厳格化(新基準「R129」への移行)が深く関係しています。
新基準に適合するジュニアシートは、側面衝突から頭部を保護するためのサイドサポートが大型化するなど、従来品よりもサイズが大きくなりました。その結果、これまでのようにトランクの床下などにコンパクトに収納することが物理的に困難になったため、搭載が見送られるようになったのです。
保護者が今後注意すべきこと
法律上の着用義務は6歳未満ですが、JAF(日本自動車連盟)などの機関は、子どもの安全なシートベルト着用の目安を「身長140cm以上」としています。多くの子どもがこの身長に達するのは10歳前後です。つまり、法律の義務期間が終わっても、安全のためにはジュニアシートがまだまだ必要なのです。
今後は「カーシェアの車に備え付けがあるはず」という期待はせず、お子様が4歳を過ぎても、ご自身でジュニアシートを用意する必要があると認識を改める必要があります。予約時には必ず車両の備考欄などを確認し、搭載されていない場合は軽量なジュニアシートを持参するなどの対策が求められます。
総括:最適なタイムズカーシェアチャイルドシート利用法
この記事のポイントをまとめます。
- 6歳未満の子どもにはチャイルドシートの使用が法律で義務付けられている
- タイムズカーシェアでもチャイルドシートの着用義務は例外ではない
- オプションでレンタル可能だが一部の駅や空港周辺のステーションに限られる
- レンタル料金は1,100円でWebサイトからの予約が必要でありアプリからは不可
- 日常的な近所での利用でレンタルできる可能性は極めて低いと考えるべき
- そのため利用者の大多数はチャイルドシートを自前で用意し持ち込んでいる
- 持ち込みを前提とするなら軽量で設置が簡単なモデルの購入がおすすめ
- ベビー用品レンタルサービスで必要な期間だけ借りるという選択肢も有効
- 持ち運びと設置の面倒さを抜本的に解決するのがトラベルシステム
- トラベルシステムはベビーカーとチャイルドシートが合体できる製品
- 眠った赤ちゃんを起こさずに自宅から車内へ移動できるのが最大のメリット
- 車両への取り付けは後部スライドドアの車種を選ぶと作業が格段に楽になる
- 4歳以上向けのジュニアシートは安全基準の変更に伴い標準搭載が順次廃止
- 今後はジュニアシートも必要に応じて自分で用意する必要が出てくる
- 利用前には必ず車両情報を確認しお子様の安全を最優先に行動することが最も重要