フェイクGPSはバレる！原因と回避できないリスクを解説

モンハン・ポケモンgoなどのゲームを有利に進めたい、またはプライバシーを守るために現在地を知られたくないと考えたことはありませんか。

そのような時に便利なのが、位置情報を偽装するフェイクGPSの技術です。しかし、iphoneやアンドロイドで位置情報をずらす方法を試す中で、設定がうまくいかなかったり、アプリの動作が安定しないと感じた方もいるでしょう。

特に、日本語に対応していない海外製アプリを使う際の難しさや、そもそも一部のアプリは位置情報をごまかせないアプリであるという事実に直面することもあります。偽装したロケーションを相手に見破る方法はあるのか、そして「GPSで浮気調査をするのは違法？」といった法的な疑問まで、フェイクgps バレるのではないかという不安は尽きません。

この記事では、そうしたあなたの疑問や不安を解消するため、位置情報偽装の仕組みからバレる原因、そして伴うリスクまでを網羅的に解説していきます。

フェイクGPSがバレる仕組みと原因

モンハン・ポケモンgoでの利用

モンスターハンターNowやポケモンGOといった位置情報を活用するゲームにおいて、フェイクGPSはプレイ効率を飛躍的に高める手段として一部のユーザーに利用されています。本来であれば、プレイヤーが実際にその場所へ足を運ばなければならないところを、自宅や好きな場所にいながらにして、世界中の好きな地点へ移動できるからです。

これにより、通常ではアクセスが困難な遠隔地のモンスターを討伐したり、海外限定のイベントやレイドバトルに参加したりすることが可能になります。また、特定のポケモンが出現しやすい「ポケモンの巣」と呼ばれる場所に瞬時に移動し、効率的にキャラクターを収集することもできます。

ただ、これらの行為はゲームの公平性を著しく損なうため、開発・運営会社であるNiantic社の利用規約では明確に禁止されています。規約に違反した場合、警告からアカウントの一時的または永久的な停止（BAN）といった厳しいペナルティが科される可能性があります。便利さの裏には常に大きなリスクが伴うことを理解しておくことが大切です。

アプリが安定しない理由とは

フェイクGPSアプリの動作が安定しない、あるいは突然偽装が解除されて実際の位置に戻ってしまう現象には、いくつかの技術的な理由が考えられます。

まず最も多い原因が、スマートフォン本体が受信する実際のGPS信号との競合です。偽装アプリはOSレベルで偽の位置情報を発信しますが、端末のGPSチップは常に衛星からの信号を受信しようと試みています。このため、建物の内部や地下、高層ビル街など、衛星信号が弱まったり乱れたりする環境では、偽装情報よりも実際の信号が優先され、位置が飛んでしまうことがあります。

次に、OSのアップデートが原因でアプリが対応しきれなくなるケースです。スマートフォンのOSはセキュリティ強化のために定期的に更新されますが、偽装アプリが新しいOSの仕様に対応していない場合、正常に動作しなくなることがあります。

さらに、アプリ自体の品質も安定性に大きく影響します。特に無料アプリの中には、作りが粗雑であったり、他の常駐アプリと干渉を起こしたりするものも少なくありません。これらの要因が複合的に絡み合うことで、意図しないタイミングで偽装が解け、結果として位置偽装がバレる一因になるのです。

仮想ロケーションの仕組み

仮想ロケーション、いわゆるフェイクGPSは、スマートフォンのGPS機能が参照する位置情報データを、意図的に別のものに置き換える技術です。この仕組みを理解するためには、スマートフォンの「開発者向けオプション」の役割を知る必要があります。

通常、地図アプリなどは、端末に内蔵されたGPSチップが衛星から受信した緯度・経度の情報を直接利用して現在地を特定します。しかし、AndroidやiOS（特定のツール経由）には、アプリ開発者がテスト目的で任意の位置情報を端末に設定できる「開発者向けオプション」という機能が存在します。

フェイクGPSアプリは、この機能を利用します。ユーザーがアプリをインストールし、「仮の現在地情報アプリ（Mock Location App）」として設定すると、OSは位置情報を求める際に、実際のGPSチップではなく、指定された偽装アプリから情報を取得するようになります。

つまり、偽装アプリが「私は今、ニューヨークにいます」という信号を発信すれば、端末上で動作する他の全てのアプリ（ポケモンGOや地図アプリなど）は、利用者がニューヨークにいると認識するわけです。

このように、OSの深い階層で情報の参照元を切り替えることで、物理的な移動を伴わずに、画面上での位置情報を自由自在に変更することが可能になります。

相手に偽装を見破る方法はある？

技術的な知識が全くなくても、日常生活の中の些細な矛盾点から、相手が位置情報を偽装していることを見破ることは十分に可能です。

最も分かりやすいのが、アプリが示す位置情報と実際の行動との食い違いです。例えば、パートナーがアプリ上で「会社にいる」と表示されているにもかかわらず、その時間に全く別の場所で友人などに目撃された場合、偽装が強く疑われます。

また、移動履歴も重要な手がかりになります。数分間で東京から大阪へ移動するなど、物理的に不可能な移動パターンが記録されていれば、それは偽装を裏付ける有力な証拠と考えられます。多くの追跡アプリは移動速度も記録するため、常に高速で移動しているように見える場合も不自然です。

さらに、スマートフォンの挙動から気づくケースもあります。前述の通り、フェイクGPSアプリはバッテリーを通常より多く消費する傾向があります。相手が「最近、急にバッテリーの減りが早くなった」などと口にしていれば、バックグラウンドで何らかのアプリが常時稼働している可能性が考えられます。

これらのことから、たとえ完璧に位置を偽装したつもりでも、現実世界での行動や端末の小さな変化が、偽装を見破るきっかけになり得るのです。

位置情報をごまかせないアプリも存在

全てのアプリケーションでフェイクGPSが通用するわけではありません。特に、セキュリティを高度に要求されるアプリや、公平性がサービスの根幹となるゲームアプリの中には、位置情報の偽装を検知し、ブロックする機能を備えているものが存在します。

これらのアプリは、単に端末が発信するGPS情報だけを信用するのではなく、複数の情報を組み合わせて位置の正当性を検証しています。例えば、Wi-Fiアクセスポイントの位置情報、接続している携帯電話の基地局情報、さらにはIPアドレスから推定される地理情報などを複合的に分析します。偽装アプリでGPSの位置だけを変更しても、これらの他の情報と大きな矛盾が生じた場合、アプリはそれを異常と判断し、サービスの利用を制限したり、警告を発したりします。

代表的な例が、ポケモンGOを運営するNiantic社の不正対策システムです。彼らは長年にわたり蓄積したデータと技術で、不自然な移動パターンや偽装アプリ特有の挙動を検知しています。検知されたユーザーには、「3ストライクポリシー」に基づき、警告、一時的な機能制限、最終的にはアカウントの永久停止という段階的なペナルティが科されます。

このように、安易な気持ちで位置情報を偽装しようとしても、高度な対策が施されたアプリの前では通用しないケースがあることを認識しておく必要があります。

フェイクGPSがバレるリスクと対策

iphoneで位置情報を偽装する

iPhoneで位置情報を偽装する場合、Android端末とは異なり、App Storeからダウンロードしたアプリ単体で完結させることは非常に困難です。これは、AppleのiOSがセキュリティを重視した設計になっており、OSの根幹に関わる位置情報設定をアプリが容易に変更できないように制限しているためです。

そのため、現在主流となっている方法は、パソコン用のソフトウェアを利用するものです。具体的には、「iMyFone AnyTo」や「Dr.Fone」といった専用ソフトをパソコンにインストールし、USBケーブルでiPhoneを接続します。そして、パソコンの画面上で地図から目的地を選択したり、移動ルートを設定したりすることで、iPhone本体のGPS情報を遠隔で操作します。

この方法のメリットは、比較的動作が安定している点や、脱獄（ジェイルブレイク）と呼ばれる、メーカー保証外となる危険な改造をiPhoneに施す必要がない点です。一方で、偽装中は常にパソコンと接続しておく必要がある、あるいは有料のソフトウェアが多いといったデメリットも存在します。

過去には脱獄を利用した偽装アプリもありましたが、セキュリティリスクが非常に高いため、現在では推奨されません。

ずらす方法：アンドロイド版

Android端末で位置情報をずらす方法は、iPhoneに比べて非常に手軽です。これは、Android OSがシステム設定の中に「開発者向けオプション」という機能を標準で搭載しており、その中で「仮の現在地情報アプリ」の利用を公式に許可しているからです。

具体的な手順としては、まずGoogle Playストアから「Fake GPS location」などの位置偽装アプリをインストールします。次に、端末の「設定」からデバイス情報を開き、「ビルド番号」という項目を7回連続でタップすることで「開発者向けオプション」を有効化します。最後に、有効になった開発者向けオプションの中から「仮の現在地情報アプリを選択」という項目を探し、先ほどインストールした偽装アプリを指定するだけです。

この設定が完了すれば、あとは偽装アプリを起動し、地図上で好きな場所を選択するだけで、端末全体のGPS情報が書き換えられます。

手軽さが最大のメリットですが、無料アプリは広告が多かったり、動作が不安定であったり、中にはセキュリティ上のリスクを伴うものも存在するため、アプリのレビューや評価をよく確認して、信頼できるものを選ぶことが大切になります。

位置情報を偽装するための設定

フェイクGPSを効果的に、そしてできるだけバレにくく利用するためには、端末とアプリの両方で適切な設定を行うことが鍵となります。

これらの設定を怠ると、偽装が機能しないだけでなく、不自然な挙動から発覚するリスクも高まります。

Androidの基本設定

前述の通り、Androidでは「開発者向けオプション」を有効にし、「仮の現在地情報アプリを選択」で利用する偽装アプリを指定することが必須の設定です。加えて、位置情報の精度設定にも注意が必要です。「設定」メニュー内の「位置情報」から、「位置情報の精度を改善」といった項目で、Wi-FiやBluetoothを利用したスキャンをオフにすると、偽装の安定性が増す場合があります。これは、GPS以外の情報源による位置特定を制限するためです。

iPhoneの基本設定

iPhoneの場合、設定の多くは連携するPCソフトウェア側で行います。ソフトウェアには、特定の地点に瞬間移動する「テレポートモード」、2点間や複数地点を指定してルート移動をシミュレートする「マルチスポットモード」、ジョイスティックで自由に移動方向を操作するモードなどがあります。バレるリスクを減らすためには、移動速度を歩行や自転車、車などに現実的な速度に調整したり、移動途中に適度な停止時間を設定したりする機能の活用が有効です。

共通の注意点

OSに関わらず、偽装アプリからの通知はオフにしておくべきです。「〇〇（アプリ名）が位置情報を偽装中です」といった通知がロック画面などに表示されれば、第三者に簡単に見られてしまいます。また、Googleロケーション履歴などの位置情報サービスは、偽装する期間中はオフにしておくことが望ましいです。

日本語対応アプリの選び方

位置偽装アプリの多くは海外で開発されており、日本語に対応していないものも少なくありません。英語が苦手な方にとっては、設定画面や表示されるメッセージの意味を正確に理解できず、意図しない設定をしてしまったり、トラブル発生時に適切に対処できなかったりする可能性があります。そのため、安全かつ確実に利用するためには、日本語にしっかりと対応したアプリを選ぶことが大切です。

アプリを選ぶ際のポイントは、単にメニューが日本語化されているかだけでなく、公式サイトやサポート窓口が日本語で提供されているかを確認することです。質の高い日本語サポートがあれば、万が一の時も安心して問い合わせができます。

また、Google PlayストアやApp Storeのレビューを確認する際は、日本人ユーザーの評価に注目すると良いでしょう。実際に使った人の「操作が分かりやすい」「設定で迷わなかった」といった声は、アプリの使いやすさを判断する上で非常に参考になります。

ただし、機械翻訳のような不自然な日本語が使われているアプリには注意が必要です。開発元が日本のユーザーを十分に重視していない可能性があり、アプリの品質やセキュリティ面で信頼性に欠ける場合があるため、選択は慎重に行うべきです。

GPSで浮気調査をするのは違法？

パートナーの行動に不審な点があり、GPSを利用して浮気調査をしたいと考えることがあるかもしれません。しかし、相手の同意を得ずにGPS機器やアプリを使って位置情報を取得する行為は、違法と判断される可能性が極めて高いです。

法的な問題点

主な法的根拠として、プライバシーの侵害が挙げられます。個人の位置情報は、私生活上の重要な情報であり、これを無断で取得・監視する行為は、民法上の不法行為にあたり、損害賠償請求の対象となる可能性があります。

さらに、刑事罰に問われるリスクも存在します。2021年8月に施行された改正ストーカー規制法では、相手の承諾なくGPS機器などを用いて位置情報を取得する行為が、新たに規制対象となりました。繰り返し行わずとも、この行為自体が罪に問われる可能性があります。

具体的な違法行為の例

• GPS発信機の無断設置： パートナーが主に使用する車やカバン、自転車などに、無断でGPS発信機を取り付ける行為。たとえ夫婦共有名義の車であっても、違法と判断されるリスクがあります。
• 追跡アプリの無断インストール： パートナーのスマートフォンに、気づかれないように遠隔追跡アプリや位置情報共有アプリを無断でインストールする行為。これは、不正指令電磁的記録供用罪（コンピュータウイルスに関する罪）に該当する可能性もあります。

これらのことから、たとえ浮気の証拠を掴みたいという目的があったとしても、同意のないGPSによる追跡は法的に大きなリスクを伴う行為であり、絶対に避けるべきです。

フェイクGPSがバレるリスクのまとめ

この記事のポイントをまとめます。

この記事で詳しく見てきたように、フェイクGPSの利用は、ゲームを有利に進めたり、プライバシーを守ったりする上で一見すると魅力的に映るかもしれません。

しかし、その手軽さの裏には、ゲームアカウントの停止、大切な人との信頼関係の崩壊、そして法律に触れる可能性といった、決して軽視できない深刻なリスクが常に存在します。

本記事が、「フェイクGPSがバレる」ことの危険性を正しく理解し、後悔のない判断を下すための一助となれば幸いです。テクノロジーは私たちの生活を豊かにしますが、その使い方は慎重に選ぶ必要があります。

どうかご自身のデジタルライフを安全で価値あるものにするために、賢明な選択を心がけてください。