最近SNSで頻繁に目にする「ヌン活」。その言葉の響きや文化に対して、ヌン活が気持ち悪い、あるいはダサいと感じてしまう…。あなたも、そうした複雑な感情を抱いたことはありませんか。
そもそもヌン活とはどんな意味で、いつから流行りだしたのでしょうか。キラキラした写真の裏で、その言葉が嫌い、あるいは見栄の張り合いがつらいと感じる人も少なくありません。
ヌン活が好きな女やオタクの趣味と見られる一方で、高い理由を考えると、正直もったいないと感じたり、アフタヌーンティーの良さがわからないと思うこともあるでしょう。
一体誰と行くもので、その目的は何なのか。最適な服装や、下段から食べる?といったマナー、自宅での楽しみ方やおすすめの頻度まで、様々な疑問が浮かびます。
この記事では、そんなヌン活に対するあなたのモヤモヤした感情の正体を、一つひとつ丁寧に紐解いていきます。
- ヌン活が「気持ち悪い」「ダサい」と言われる具体的な理由
- アフタヌーンティーの本来の魅力と多様な楽しみ方
- 知っておくと恥をかかない基本的なマナーや服装
- ヌン活に対する複雑な感情との上手な向き合い方
ヌン活が気持ち悪い・ダサいと言われる本当の理由
- そもそもヌン活とはどういう意味?
- SNSでの流行はいつから始まったのか
- 言葉が嫌い、SNSでの見栄がつらい
- 高い理由に納得できずもったいない
- 結局アフタヌーンティーの良さがわからない
- ヌン活が好きな女やオタクのイメージ
そもそもヌン活とはどういう意味?
「ヌン活」とは、「アフタヌーンティー活動」を略した言葉です。
元々アフタヌーンティーは、1800年代中頃のイギリスで、貴族階級の社交の場として発展した文化を指します。午後2時から5時頃の午後の時間帯に、紅茶と共に軽食やスイーツを楽しむ優雅な習慣でした。
典型的なアフタヌーンティーでは、三段重ねのティースタンドが用いられます。 一般的に、下段にはサンドイッチやキッシュといった塩気のある軽食(セイボリー)、中段にはスコーン、そして上段にケーキやフルーツなどの甘いスイーツが美しく盛り付けられます。特にスコーンにクロテッドクリームやジャムを添えていただくのは、定番のスタイルと言えます。
このように、本来は貴族の社交文化であったアフタヌーンティーですが、その見た目の華やかさや非日常的な雰囲気が、現代のSNS文化と結びつきました。そして、ホテルやカフェでアフタヌーンティーを楽しみ、その様子を写真に撮って共有する行為が「ヌン活」と呼ばれるようになり、広く浸透していったのです。
SNSでの流行はいつから始まったのか
ヌン活という言葉が広く使われ始めたのは、2020年頃からと考えられます。SNS、特にインスタグラムの普及が大きなきっかけとなりました。
流行の背景には、主に二つの要因が挙げられます。 一つは、アフタヌーンティーそのものが持つ「写真映え」の要素です。色とりどりのスイーツや美しい食器、洗練されたホテルのラウンジといった非日常的な空間は、SNSで共有するコンテンツとして非常に魅力的でした。
もう一つは、コロナ禍の影響です。遠出や大規模なイベントが制限される中で、身近な場所で特別な体験をしたいというニーズが高まりました。ホテルやカフェで楽しめるアフタヌーンティーは、その需要に応える最適なアクティビティだったのです。
こうした流れを受け、「ヌン活」は2022年の「新語・流行語大賞」にもノミネートされるほど社会的に認知されました。現在では、若い女性層を中心に、友人との集まりや自分へのご褒美として、すっかり定着した文化となっています。
言葉が嫌い、SNSでの見栄がつらい
多くの人がヌン活に肯定的な一方で、その言葉や文化に嫌悪感や違和感を抱く人も少なくありません。その理由は、大きく分けて「言葉の響き」と「SNS文化への反発」の二つに集約されます。
言葉の響きへの違和感
まず、「ヌン活」という言葉の響き自体が、アフタヌーンティーの持つ優雅なイメージにそぐわないと感じる人が多いようです。あるアンケート調査では、実に84%もの人が「ヌン活という略称はダサい」と回答しています。
「ヌン」という間が抜けたような音や、「活動」という言葉がリラックスしたティータイムのイメージに合わない、といった意見が見られます。また、「ヌンチャクを連想する」「ネットスラングのようだ」といった声もあり、言葉そのものに対するネガティブな印象が、文化全体への嫌悪感につながっていると考えられます。
SNS文化への反発
もう一つの大きな理由は、SNSでの見栄の張り合いに対する疲れや嫌悪感です。ヌン活の目的が、紅茶やスイーツを味わうことではなく、SNSに投稿して「リア充」をアピールすることにすり替わっていると感じる人がいます。
味の違いもわからないのに高額な料金を支払い、豪華な写真を撮るためだけに行為は、本質的ではないと批判的に見られがちです。また、「他人に見せびらかしたい」「見下されたくない」といった他者評価を気にする動機が透けて見えると、より強い反感を招くことになります。
こうしたSNS疲れが、ヌン活そのものを「つらい」「気持ち悪い」と感じさせる一因となっているのです。
高い理由に納得できずもったいない
「アフタヌーンティーは値段が高いし、もったいない」と感じるのも、ヌン活に否定的な意見を持つ人の共通認識です。実際に、ホテルのアフタヌーンティーは一人あたり5,000円以上、テーマによっては1万円近くすることも珍しくありません。
この価格設定には、明確な理由が存在します。
結局アフタヌーンティーの良さがわからない
ヌン活に対して否定的な感情を抱く根本には、「アフタヌーンティーそのものの良さがわからない」という価値観の違いが存在します。
この文化の魅力は、単に美味しいものを食べることだけではありません。本来は、優雅な空間でゆったりと流れる時間を楽しみながら、気の合う仲間と会話を弾ませる「社交の場」としての側面が強いのです。主役はスイーツや軽食というよりも、むしろポットで丁寧に淹れられた紅茶であり、その香りや味わいの変化を楽しむことに重きが置かれています。
そのため、食べ物の量や種類の豊富さを求める人にとっては、物足りなく感じられるのは当然と言えます。甘いものが延々と続く構成に飽きてしまったり、「ケーキは1個で十分」と感じる人にとっては、苦痛ですらあるかもしれません。
スイーツを好きなだけ食べたいのであれば、自分の好きなものを好きなだけ選べるスイーツビュッフェの方が、満足度は格段に高いでしょう。アフタヌーンティーは、食事そのものよりも、そこに流れる時間や雰囲気、会話といった無形の価値を楽しむ文化であり、この点に魅力を感じられない場合、その良さを理解するのは難しいと考えられます。
ヌン活が好きな女やオタクのイメージ
ヌン活を楽しむ層には、特定の特徴や傾向が見られると分析されています。その中でも特に代表的なのが、「キラキラ女子」と呼ばれる層と、「オタク」と呼ばれる層です。
キラキラ女子と自己表現
一般的に「ヌン活が好きな女」としてイメージされやすいのが、流行に敏感で、SNSでの自己表現を重視する、いわゆる「キラキラ女子」です。彼女たちにとって、アフタヌーンティーは食事というよりも、「高級ホテルでヌン活をしている私」を演出するための舞台装置としての意味合いが強い場合があります。
身体のラインがわかるワンピースにハイヒール、ブランドバッグといった出で立ちで、運ばれてきたティースタンドを前に何枚も写真を撮る姿は、ラウンジでよく見かける光景です。この場合、目的は美味しいものを食べることよりも、魅力的な写真を撮ってSNSに投稿し、「いいね」や共感を得ることにあると言えます。
オタク文化との高い親和性
一方で、アフタヌーンティーは「オタク」趣味を持つ人々とも非常に親和性が高い文化です。アニメや漫画のキャラクター、あるいはアイドルグループなどとコラボレーションした、テーマ性の高いアフタヌーンティーが数多く開催されていることが、その証左と言えるでしょう。
オタク層は、特定の作品やキャラクターが持つ世界観に浸ることを楽しみます。アフタヌーンティーが提供する非日常的な空間や、物語性のあるメニュー構成は、まさにその欲求を満たすものです。自分の「推し」のテーマカラーで統一されたスイーツを味わいながら、グッズと一緒に写真を撮る「推し活」の一環として、ヌン活を楽しむ人が増えています。
このように、ある対象に深く熱中し、その世界観を追体験したいという欲求が、オタク層をヌン活へと惹きつける大きな要因となっているのです。
ヌン活が気持ち悪い・ダサいと感じる人が知るべき魅力
- 誰と行くかで変わるヌン活の目的
- ホテルにふさわしい服装のマナー
- 下段から食べるのが正しい順番?
- 自宅での楽しみ方とおすすめの頻度
- ヌン活が気持ち悪い・ダサいという感情の総括
誰と行くかで変わるヌン活の目的
アフタヌーンティーは、誰と行くかによってその目的や楽しみ方が大きく変わってきます。必ずしも特定の誰かと行かなければならないという決まりはなく、相手との関係性に応じて多様な過ごし方が可能です。
最も一般的なのは、気の合う友人との利用でしょう。普段なかなかゆっくり話せない積もる話も、優雅な雰囲気の中では自然と弾みます。お互いの近況報告をしたり、共通の趣味について語り合ったりと、会話そのものを楽しむことが主な目的となります。
また、母娘や姉妹など、家族との特別な時間を過ごす場としても最適です。誕生日や記念日といったお祝いの席として利用すれば、普段は照れくさくて言えない感謝の気持ちを伝える良いきっかけになるかもしれません。
恋人や配偶者とであれば、ロマンチックなデートスポットになります。二人で非日常的な空間を共有することは、関係性をより深めることにつながるでしょう。
最近では、こうした定番の組み合わせだけでなく、男性同士で訪れたり、あるいは一人で静かに読書をしながら過ごす「一人ヌン活」を楽しんだりする人も増えています。誰と行くか、あるいは一人で行くかによって、アフタヌーンティーは社交の場にも、プライベートな癒やしの時間にもなり得るのです。
ホテルにふさわしい服装のマナー
ホテルのラウンジなどでアフタヌーンティーを楽しむ際には、服装にもある程度の配慮が求められます。厳格なドレスコードが設けられていることは稀ですが、「スマートカジュアル」を意識するのが一般的です。
スマートカジュアルとは、フォーマルほど堅苦しくなく、かといって普段着のようにカジュアルすぎない、品のある服装を指します。周囲の人に不快感を与えず、その場の雰囲気を壊さないための心遣いと言えるでしょう。
具体的な服装の例
女性であれば、ワンピースや、ブラウスにスカートやきれいめのパンツを合わせたスタイルがおすすめです。レースやフリルといった少し華やかなデザインを取り入れると、特別な場の雰囲気にマッチします。逆に、露出の多い服装や、Tシャツにジーンズ、スニーカーといったラフすぎる格好は避けるのが賢明です。
男性の場合、襟付きのシャツにジャケットを羽織るスタイルが最も無難です。チノパンやスラックスを合わせると、清潔感のある上品な印象になります。短パンやサンダル、ダメージジーンズなどは、場の雰囲気にそぐわないため避けるべきです。
アフタヌーンティーのテーマや、訪れるホテルの格に合わせて服装を選ぶと、より一層その場の雰囲気を楽しむことができます。
下段から食べるのが正しい順番?
三段のティースタンドで提供されるアフタヌーンティーには、伝統的に推奨される食べる順番が存在します。それは、ティースタンドの下段から上段へと食べ進めるというものです。
この順番には、味覚上の合理的な理由があります。
- 下段(セイボリー): まずはサンドイッチやキッシュといった、塩気のある軽食からスタートします。空腹を落ち着かせ、後の甘いもののために味覚を整える役割があります。
- 中段(スコーン): 次に、プレーンな味わいのスコーンをいただきます。温かい状態で提供されることが多いため、冷めないうちに食べるのがおすすめです。
- 上段(スイーツ): 最後に、ケーキやタルト、マカロンといった甘みの強いスイーツを楽しみます。
このように、味の薄いものから濃いものへ、塩気のあるものから甘いものへと食べ進めることで、それぞれのメニューの味わいを最大限に引き出し、最後まで飽きずに楽しめるように構成されているのです。
ただし、これはあくまで伝統的なマナーであり、絶対に守らなければならない厳格なルールではありません。最も大切なのは、リラックスして楽しむことです。もし上段のケーキが気になれば、そこから手をつけても問題はありません。
スコーンの食べ方
ちなみに、スコーンには特有のマナーがあります。ナイフで切るのではなく、手で横半分に割り、そこにクロテッドクリーム、ジャムの順で塗って食べるのが英国式とされています。これも豆知識として知っておくと、よりスマートに楽しめるでしょう。
自宅での楽しみ方とおすすめの頻度
「ホテルのアフタヌーンティーは敷居が高いし、値段も気になる」という方には、自宅で楽しむ「おうちヌン活」がおすすめです。また、お店に通う頻度も、自分のライフスタイルに合わせて決めるのが一番です。
自宅で気軽に楽しむ方法
おうちヌン活の魅力は、何と言ってもその自由度の高さにあります。人目を気にすることなく、自分の好きなものだけを集めて、好きな時間に楽しむことができます。
本格的に楽しむなら、三段のケーキスタンドを用意すると一気に雰囲気が高まります。最近では、手頃な価格のものや折りたたみ式のものも販売されています。スーパーやデパ地下で買ってきた好きなケーキやサンドイッチ、スコーンを盛り付けるだけで、立派なアフタヌーンティーセットの完成です。
また、季節のフルーツを使ったり、好きなキャラクターのテーマカラーで統一したりと、自分だけのオリジナルテーマを設定するのも楽しみ方の一つです。食器やテーブルクロスにこだわるだけでも、非日常感を演出できます。
通う頻度に決まりはない
お店でアフタヌーンティーを楽しむ頻度に、決まったルールはありません。月に一度の楽しみとして定期的に通う人もいれば、誕生日や記念日といった特別な日にだけ利用する人もいます。
アフタヌーンティーは、決して安いものではありません。大切なのは、無理のない範囲で自分のペースで楽しむことです。予算や時間、そして「特別な時間を過ごしたい」という気持ちに合わせて、自分に合った頻度を見つけることが、長く楽しむための鍵となります。
ヌン活が気持ち悪い・ダサいという感情の総括
この記事では、「ヌン活」に対して抱かれがちな否定的な感情の背景と、アフタヌーンティー本来の魅力について多角的に解説してきました。
最後に、その要点をまとめます。
- ヌン活はアフタヌーンティー活動の略称
- 言葉の響きが優雅なイメージと合わずダサいと感じる人が多い
- ある調査では84%が「ダサい」と回答しており、その感覚は少数派ではない
- SNS投稿を主目的とする行動に気持ち悪いと感じる人もいる
- 見栄の張り合いや他者評価を気にする文化への反発が根底にある
- 価格が高い理由は食材費・技術料・場所代などが反映されているため
- 量に対して高価なためもったいないと感じやすい
- 本来は食事よりも会話や雰囲気を楽しむ社交の文化
- 食べる順番は下段のセイボリーから上段のスイーツへが基本マナー
- 服装はTPOをわきまえたスマートカジュアルが推奨される
- キラキラ女子の自己表現の場という側面がある
- オタク文化や推し活との親和性が高く、多様な楽しみ方が生まれている
- 誰と行くかによって、社交の場にも癒やしの時間にもなり得る
- 自宅でも好きなものを揃えて「おうちヌン活」として楽しめる
- 否定的な感情は、言葉のイメージとSNS文化への違和感から生まれる自然なもの