史学科はやめとけの声に惑わされるな！向いている人の特徴とは

史学科に興味はあるけれど、「史学科はやめとけ」という声が気になっていませんか？

実際に進学後、「授業がつまらない」「就職に不利だった」と後悔する人がいるのも事実です。特に「女子が少ない」「歴史学科は就職がない」といった情報に不安を感じる方も多いでしょう。

しかし、史学科は誰にでも向いているわけではない一方で、歴史に対する強い探究心と目的意識を持つ“向いてる人”にとっては、大きな可能性が広がる学びの場でもあります。

上智大学の史学科の就職実績や、大学ランキングにとらわれない進学の考え方など、進路選択に必要な視点をこの記事で丁寧に解説します。

入学前に「何学部に属するのか」「卒業した後の進路はどうなるのか」「身につく力は何か」を知っておくことで、あなた自身の進学判断がより納得のいくものになるはずです。

史学科はやめとけと言われる理由

史学科への進学を考えていると、「やめとけ」という言葉が気になる方も多いでしょう。では、実際に進学して後悔する人にはどのような傾向があるのでしょうか？

また、「女子が少ない」「就職に不利」「授業がつまらない」といった声や、「大学ランキングは参考になるのか」といった疑問も含めて、進学前に押さえておきたいポイントを順に解説していきます。

進学して後悔する人の特徴とは

史学科に進学して後悔する人の多くは、「歴史が好き」という気持ちだけで入学を決めたケースが目立ちます。高校での世界史や日本史が楽しかったからという動機は自然ですが、それだけでは大学での専門的な学びについていけず、ミスマッチを感じることが多いのです。

理由のひとつは、史学科で扱う「歴史」が、受験科目としての歴史とはまったく異なるという点です。史学科では、史料の読み込みや文献研究、学術的な議論が中心となり、講義形式も研究色が強くなります。

単純に「戦国時代が好き」「エジプト文明がロマンがある」といった趣味的な関心では、学びの深さに対してモチベーションを維持しにくくなるのです。

例えば、「高校までの歴史のイメージとギャップを感じて『つまらない』と感じた」「研究論文を読むのが苦痛だった」という声が多く見られます。

また、「就職について考えていなかった」という声も一定数あり、進路やキャリア意識が不明確なまま入学した学生が後悔する傾向があることも明らかです。

このように、史学科で後悔する人の共通点は、学問への理解や目的意識の欠如にあります。ただ歴史が好きという曖昧な理由だけで選ぶのではなく、何を学ぶのか、卒業後にどう活かすのかを具体的に考えてから進学することが非常に重要です。

女子が少ないと言われる学科の実情

史学科は、他の文系学部と比較して女子学生の割合が少ない傾向にあります。この「女子が少ない」という点は、入学前の想定とのギャップとなり、入学後に戸惑う学生も少なくありません。

この傾向の背景にはいくつかの要因があります。第一に、歴史学という分野が長らく男性中心の研究文化を持っていたこと。

研究対象や史料の多くが政治史や戦史、思想史など、伝統的に男性研究者が多く関わってきたジャンルで構成されていたことから、自然と男子学生の進学志望が多くなっていたという歴史的経緯があります。

また、現役学生の声として「ゼミの女子が2人しかいなかった」「男子との距離感が取りづらくて孤立を感じた」といった声を聞きます。

もちろん大学や学年によって差はありますが、「女子が少ない」と感じるのは事実であり、その空気に違和感を持つ人は一定数いるのです。

ただし、女子学生が少ないことが一概にデメリットというわけではありません。むしろ、「女子が少ない＝目立ちやすい」「ゼミで発言しやすい」など、プラスに感じる学生もいます。

また近年は文化史やジェンダー史、生活史など、女性の視点からの研究も広がっており、女子学生の活躍の場も増えつつあります。

つまり、女子が少ないというのは単なる数の問題ではなく、その環境をどう捉えるかが大切です。事前に男女比やゼミ構成を調べ、入学後に自分が居心地よく学べるかをイメージしておくことで、ギャップによる戸惑いを減らすことができるでしょう。

史学科は就職に不利なのか？実態を解説

史学科は就職に不利だとよく言われますが、実際には「不利になる要素があるが、本人次第で十分に活路はある」というのが正確な実態です。企業が求める“即戦力スキル”と、史学科で培うアカデミックな素養との間にギャップがあり、それを埋める意識がないと苦戦するのは事実です。

その理由のひとつが、史学科では専門性が高く汎用性が低い学問を扱うという点です。

たとえば卒論では歴史的資料を細かく読み解くスキルや論理的構成力は磨かれますが、企業の業務に直結するスキル（プログラミング、簿記、マーケティングなど）は得られにくいのが現状です。これが「就職に弱い」と見なされる大きな原因になります。

「友人は資格やインターンに力を入れて就職を成功させたが、私は何もしておらず書類すら通らなかった」「説明会で史学科と話すと『何ができるの？』と問われて困った」というリアルな声もあり、対策を取らなければ厳しいことが明らかになっています。

ただし、就職活動で評価される要素は学部名だけではありません。史学科で培った情報の整理・要約力、粘り強い資料調査、論理的なレポート作成力などは、本質的にはビジネスでも十分に活かせます。

それを言語化し、企業に「使える人材」として自分を売り込む努力ができれば、不利どころか強みになります。

授業がつまらないと感じる原因とは

史学科の授業が「つまらない」と感じる学生の多くは、高校の歴史授業とのギャップに戸惑っています。史学科の学びは、暗記中心だった高校の世界史や日本史とは大きく異なり、正解のない問いに向き合う学問的アプローチが求められます。

このギャップの原因は、講義の性質にあります。史学科の授業では、教科書的な流れをなぞるのではなく、限られた史料から多角的な解釈を行うことが中心となります。

また、授業スタイルも教授の一方的な講義ではなく、ディスカッションや文献講読など、アクティブな参加を求められる場面が多くあります。こうしたスタイルに慣れていないと、「何を言っているのか分からない」「退屈」と感じるのです。

「想像していた戦国武将や英雄の話が一切出てこなかった」「外国語で書かれた文献を延々と読むだけだった」といった学生の不満の声もあります。また、学期ごとのテーマが細かすぎて全体像をつかみにくいという意見も聞きます。

とはいえ、史学科の学問は“面白さに気づけるか”にかかっています。表面的な歴史物語にとどまらず、「なぜこの史料が残ったのか」「この記録の裏に何があったのか」と掘り下げる視点が持てれば、むしろ知的好奇心を強く刺激されます。

退屈さを感じるのは、深く入る準備ができていない状態であるともいえるでしょう。

大学ランキングで選んでも意味がない？

史学科を志望する際に大学ランキングだけで選ぶのは、極めて危険です。ランキング上位校が必ずしも自分に合った教育や指導を提供してくれるとは限らず、むしろ目的意識を持たずに進学するとミスマッチが起きやすくなります。

その理由は、大学ごとに史学科の「カラー」や「研究分野の強み」が大きく異なるからです。

ある大学は日本近世史に強く、また別の大学は西洋古代史を専門にしていたりします。ランキングだけを見て志望すると、自分が本当に学びたい時代や地域を扱っていないという事態にもなりかねません。

「偏差値で選んだが、研究テーマが自分の興味と全く違って苦痛だった」「教授が近代政治史専門で、自分が学びたい文化史が一切なかった」といった失敗談も目立ちます。ランキングは目安にはなりますが、史学科の場合、それよりも“誰から何を学べるか”の方が圧倒的に重要です。

だからこそ、大学選びは「自分の関心と大学の研究分野がマッチしているか」「自分の卒業後の目標に合った指導が受けられるか」という視点で判断するべきです。ランキングだけで決めるのは、大学での4年間を無駄にしかねない大きなリスクとなります。

史学科はやめとけに当てはまらない人とは

史学科は「就職が厳しい」と言われがちですが、それは本当なのでしょうか？

ここからは、歴史学科の就職事情や公務員との相性、学科に向いている人の特徴、そして上智大学の史学科の就職実績までを具体的に見ていきましょう。進学後のキャリアを見据える上で、必ず押さえておきたい情報です。

歴史学科の就職ないは本当か？実情と対策

「歴史学科は就職がない」と言われることがありますが、これは半分正しく、半分誤解です。たしかに、専門性を直接活かせる職種が限られていることは事実ですが、それをもって「就職できない」と決めつけるのは早計です。

ポイントは、「就職に不利な構造を自覚したうえで、自分で動くこと」です。

歴史学科で学ぶ内容は、企業が即戦力として求めるスキルとズレていることが多いのが理由です。多くの企業では、経済学部や商学部のように数字やビジネス知識に直結するスキルを求めています。

一方、歴史学科は長期的な文献調査や抽象的な思考を重視するため、履歴書や面接の段階で「この人は何ができるのか？」が伝わりにくいのです。

「学部で何をしていたかが企業に伝わらなかった」「面接官に『歴史学って役に立つの？』と聞かれた」といった就活生の声を聞きます。

しかし同時に、「早期からインターンに参加した」「自分の研究をロジカルに話せるよう練習したことで内定をもらえた」といった成功例も確認されています。したがって、対策として重要なのは、「学びの内容を社会にどう転用できるか」を明確にすることです。

たとえば、「限られた情報から背景を推論し、論理的に説明する能力はマーケティングにも通用します」といった形で、歴史学科の学びを言語化し、企業のニーズに翻訳するスキルが求められます。

自己分析と業界研究を徹底し、自分の強みを社会に適応させる力を養えば、「就職がない」という言葉は自分には当てはまらなくなるでしょう。

公務員志望には史学科が有利な理由

公務員を目指す学生にとって、史学科は実はかなり有利な学科です。公務員試験に必要なスキルや知識と、史学科で養われる力には重なる部分が多く、他学部に比べて有利に働くことが少なくありません。

その理由の一つが、試験科目との相性です。多くの公務員試験では教養試験で「日本史」や「世界史」の問題が出題されるケースがあり、歴史的知識を体系的に学んできた史学科の学生は、基礎知識がすでに備わっているため、試験対策においてアドバンテージがあります。

また、論文試験や面接で問われる「論理的思考力」「問題発見・解決力」も、史料分析や研究で磨かれるスキルと一致します。実際、「授業で鍛えた読解力と要約力が論文試験に活かせた」「普段から文献を読みこむ癖が、公務員試験の勉強に役立った」という声も聞きます。

また、史学科の中には公務員を目指す学生が多い大学もあり、ゼミ単位で試験対策をするようなサポート体制が整っているケースもあります。

ただし、有利だからといって自動的に合格できるわけではありません。公務員試験には明確な競争があり、他学部の受験者も数多く存在します。その中で差をつけるには、史学科で得たスキルを意識的に磨き、実践的なアウトプット（論文対策・面接練習）に結びつける努力が必要です。

史学科で学ぶ力は、公務員試験において“武器”になります。しっかりと目的意識を持ち、それを活かす戦略を立てれば、確実に他学部との差別化が可能です。

史学科に向いてる人の特徴とは

史学科に向いているのは、単に歴史が好きというよりも、「なぜそうなったのか」と背景を考えるのが好きな人です。好奇心が強く、曖昧な情報に対して深掘りする姿勢がある人は、史学科での学びに強く適応できます。

その理由は、史学科の学問が“既知の歴史を覚える”ことではなく、“新たな解釈を自分で見つける”ことにあるからです。授業では与えられた史料から文脈や意図を読み取り、自分なりの問いを立てて考察することが求められます。

つまり「暗記型」の学びではなく「探究型」の学びが中心となるため、自ら積極的に問いを立てて考える力が不可欠です。実際に史学科で活躍している学生の特徴として、「考えるのが好き」「納得するまで調べるタイプ」「文章を書くのが苦にならない」などの傾向が多く見られます。

逆に、明確な関心がないまま「なんとなく歴史が好き」で進学した学生の一部は、「つまらない」「授業についていけない」と感じやすい傾向があります。

したがって、史学科に向いているのは、歴史の“ストーリー”ではなく、“構造や背景”に関心を持てるタイプ。知的好奇心が強く、自分で仮説を立てて検証するような探究姿勢を楽しめる人にとって、史学科は非常にやりがいのある学問領域といえるでしょう。

上智大学の史学科での就職の実績と傾向

上智大学の史学科は、就職面においても一定の成果を上げており、「史学科＝就職がない」という固定観念とは一線を画します。企業からの評価も高く、実績を見る限り、文系学部としてはバランスの取れた進路選択がなされているのが特徴です。

その背景には、上智大学のブランド力と教育の質が関係しています。史学科としての専門性はもちろん、語学力や国際理解、論理的思考など、就職活動に有利なスキルが体系的に身につくカリキュラムが整っているため、学生は自信を持ってアピールできる要素が多いのです。

また、教員やキャリアセンターによる就職サポートも手厚く、OB・OGのネットワークも活発です。

上智大学の史学科の卒業生が就職した業界として、「出版・教育・マスコミ」だけでなく、「メーカー」「商社」「IT」「官公庁」など多岐に渡っており、特定の業種に偏らない進路選択ができていることが確認されました。

また、公務員志望者へのサポート体制も充実しており、合格者も一定数出ています。

結果として、上智大学の史学科は“歴史を学びながら幅広い進路を目指せる”というバランスの良い環境を提供しています。学部の名前だけで就職を不安視するのではなく、大学の支援体制や卒業生の実績をもとに、戦略的に就職活動を進めることが可能です。

卒業した後の進路と広がる可能性

史学科を卒業した後の進路は、狭いように見えて実は非常に幅広く、多様なフィールドに展開できる柔軟性があります。歴史学が直接役立つ職業は限られていても、学びの中で身につけた能力は、さまざまな業種で応用可能だからです。

この柔軟性の理由は、史学科で鍛えられるスキルの汎用性にあります。膨大な情報から要点を抽出する力、因果関係を見抜く力、論理的な文章力、冷静な分析力など、社会のあらゆる場面で必要とされる「考える力」が身につくため、卒業後は進路に縛られず選択肢を広げることができます。

史学科の卒業生が進んだ業界として、教育、公務員、出版、博物館、図書館といった関連分野のほか、民間企業の営業・企画・人事・マーケティング部門への就職も多数確認されます。

「歴史を活かす」よりも、「歴史を学んだ過程で得た力を活かす」というスタンスの方が、現実的なキャリア形成に繋がっているようです。

つまり、史学科卒業後の進路は決して限定的ではありません。自らの関心と能力をどう組み合わせて社会に適用するかを考えることで、進路の可能性は大きく広がります。「歴史学の学びが社会でどう生きるか」を理解し、自分なりのキャリア設計を描くことが重要です。

まとめ

この記事のポイントをまとめます。

史学科への進学は、なんとなくの興味だけで決めてしまうと後悔する可能性があります。

しかし、歴史に対する探究心や、学んだことをどう社会に活かしたいかというビジョンが明確であれば、学問としてもキャリア形成としても非常に価値ある道です。

周囲の「やめとけ」という声に流される前に、しっかりと情報を集め、自分の適性や目標と向き合うこと。それが、自信を持って進学を決める第一歩になるはずです。