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鉄筋アパートはやめとけと言われるのはなぜ?失敗談と後悔しない選び方

鉄筋アパートやめとけと言われるのはなぜ?失敗談と後悔しない選び方 ライフハック・雑学

鉄筋アパートは「防音性が高くて安心」と思われがちですが、実際に住んでみると「鉄筋アパートはやめとけ」と言われる理由が見えてきますね。構造上は優れていても、築年数や施工方法、さらには間取りによっては騒音や生活トラブルの元になることも少なくありません。

特に「賃貸 鉄筋コンクリート うるさい」と検索する人が多いように、入居前に抱いていた「静かさ」への期待と、入居後の「現実」とのギャップが生まれやすいのが実情かなと思います。この記事では、軽量鉄骨や木造アパートとの比較、防音性やゴキブリ被害など、リアルな住み心地を徹底検証していきます。

「軽量鉄骨なら騒音は気にならない」は本当か?「木造アパートはゴキブリが出やすい」の真相は?そして「鉄筋と鉄骨どっちが響かないのか?」まで、皆さんの住まい選びの参考になるリアルな視点をお届けします。

鉄筋の欠点を正しく理解し、たとえ新築アパートであっても現地での確認や内見を怠らなければ、後悔しない選択は可能です。ぜひ最後までチェックしてみてください。

  • 鉄筋アパートが「やめとけ」と言われる理由とその背景
  • 賃貸で鉄筋コンクリートがうるさいと感じる構造的要因
  • 軽量鉄骨や木造アパートとの防音性・害虫リスクの違い
  • 新築アパートでも失敗しないための内見チェックポイント

鉄筋アパートはやめとけと言われる理由とは

鉄筋アパートはやめとけと言われる理由とは

鉄筋アパートに対して「やめとけ」というネガティブな言葉が聞かれる背景には、一般的に持たれているイメージと、実際の住み心地との間にある、見落とされがちな現実があります。構造ごとの違いや、実際の住み心地をしっかり理解することが、後悔しない賃貸選びの第一歩ですね。

ここからは、鉄筋コンクリート(RC造)、軽量鉄骨(S造)、木造(W造)の構造別に、防音性や暮らしやすさの実情を詳しく見ていきましょう。

鉄筋アパートはやめとけと言われる理由

鉄筋アパートが「やめとけ」と言われる最大の理由の一つに、先ほども触れた期待とのギャップが挙げられます。多くの人が「鉄筋造=防音性が高い最強の構造」というイメージを強く持っています。ですが、実際には構造や築年数、施工の質によって防音性能には大きな差があり、必ずしも静かで快適とは限らないのが現実なんです。

多くの人が鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)を「遮音性が高い」と信じています。もちろん、構造上は木造や軽量鉄骨造に比べて優れているのは事実です。しかし、実際の住環境では上下階の足音(重量床衝撃音)、共用廊下をヒールで歩く音、壁を通しての生活音(話し声やテレビ音)などが気になるケースも少なくありません。

特に、壁や床が設計基準ギリギリの薄さだったり、建築当時の音対策が不十分な古い物件では「鉄筋なのにこんなにうるさいの?」と感じることがあるわけですね。

古いRC造の注意点

築年数が古い物件では、配管(トイレやキッチンの流水音)が壁内を伝わる音、玄関ドアのバタン!と閉まる音の響き、換気扇やエアコンのダクトを通じた音の抜けなど、見落としがちな構造的要因も騒音の原因になります。

つまり、「鉄筋だから絶対に安心だ」と思って高い家賃を払って入居した人ほど、「話が違うじゃないか」という不満が大きくなってしまうわけです。こうした現実とのギャップによって、「鉄筋アパートはやめとけ」というネガティブな口コミが広がりやすくなっている側面があるかなと思います。

構造名だけで安心せず、実際の遮音性や管理状態を内見時にしっかり確認することが、後悔を避けるための最も重要なポイントです。

賃貸の鉄筋コンクリートはなぜうるさい?

鉄筋コンクリート造の賃貸でも「うるさい」と感じる理由は、主に音の伝わり方が“完全ではない”からですね。構造上は確かに遮音性に優れていますが、実生活で発生する音には種類があり、鉄筋コンクリートが苦手とする音も存在するんです。

音には大きく分けて2種類あります。

  • 空気音(くうきおん): 話し声、テレビの音、音楽など、空気を振動させて伝わる音。
  • 固体音(こたいおん): 足音、ドアの開閉音、椅子を引く音、モノを落とす音など、床や壁の振動によって伝わる音。

鉄筋コンクリートは、その「質量」(重さ)によって空気音を防ぐのは得意です。壁や床が厚ければ厚いほど、空気音は伝わりにくくなります。ただし、それでも配管まわりや壁の隙間、換気ダクトから音が伝わるケースがあり、完全な遮断は困難ですね。

一方で、鉄筋コンクリートが意外と苦手なのが「固体音」です。特に「ドスン!」という重い足音(重量床衝撃音)は、コンクリート自体を振動させて広がりやすく、階下や隣室に響きやすい傾向があります。

さらに問題なのは、築年数が古い物件や、建設コストを抑えて建てられている物件です。コンクリートの厚さが基準を満たしていなかったり、床の構造が(カーペットなどでなく)振動を伝えやすいフローリング直張りだったりすると、RC造であっても防音性が低くなります。

一般的に、防音性の目安として「壁厚15cm以上」「床スラブ(コンクリートの床板)厚20cm以上」(※)の物件では、遮音効果が期待ほど得られないことがあると言われていますね。(出典:日本建築学会『II.建物性能を見極める – 7.さまざまな環境-音』

結果として、「鉄筋なのにうるさい」と感じる住人が一定数存在し、ネット上でもその声が目立つようになります。鉄筋コンクリート=静か、という過信ではなく、個々の物件特性(特にスラブ厚など)を冷静に見極める視点が必要です。

軽量鉄骨は騒音が気にならないって本当?

軽量鉄骨は騒音が気にならないって本当?

軽量鉄骨のアパートは「防音性が高い」と思われがちですが、これは誤解であることが多いですね。実際には、鉄筋コンクリート造と比べると音が気になりやすいのが実情です。つまり、「騒音が気にならない」は必ずしも本当ではありません。

軽量鉄骨造(S造)は、柱や梁に鋼材を使うため耐震性や耐久性に優れている反面(特に大手ハウスメーカー製の場合)、壁や床の構造がRC造に比べて簡易になりがちです。

特に、隣の部屋との間の壁(界壁)が、石膏ボードと断熱材だけで仕切られていることが多く、壁の中に空洞が多い構造になっています。そのため、隣室や上下階の音が響きやすい傾向があるんですね。RC造と比べると、音を吸収・遮断する「質量」が明らかに少ないのです。

軽量鉄骨で聞こえやすい音の例

  • 隣人の話し声(内容までは分からなくても、話しているのは分かる)
  • くしゃみや咳、目覚ましのアラーム音
  • スマートフォンのバイブレーション音
  • 夜間のドアの開け閉めや、階段を上り下りする音

実際に入居者の口コミを見ても、「軽量鉄骨なのに隣人のくしゃみまで聞こえる」「朝晩のドアの開け閉めが響いて目が覚める」といった不満はよく見られます。これらは構造上の特性によるもので、建物が新しいかどうかとはあまり関係ありません。

そのため、軽量鉄骨だから静かとは言い切れないのが現実です。重要なのは「構造+内装の仕様(使われている防音材など)+管理状況」の3点を総合的に見ることですね。「音に悩まされたくない」という人ほど、物件選びでは“構造名”だけに頼らず、実際の防音対策や壁厚などのスペックを確認する姿勢が欠かせません。

木造アパートと比較した音の通りやすさ

木造アパート(W造)は、鉄筋や鉄骨と比べて最も音が通りやすい構造だと言えます。理由はシンプルで、構造全体が軽く、遮音性が低い素材(木材)で主に組まれているからですね。

木造は、柱や梁、床材、壁材などがほとんど木材で構成されています。これは断熱性や施工コスト、設計の自由度といった面では優れていますが、音に対しての“質量”が圧倒的に不足しているため、空気音も固体音も簡単に伝わってしまいます。

実際、木造では隣室の話し声、テレビ音、トイレの流水音、床の軋み、階段の上り下りなど、日常的な音が壁を越えて聞こえることが多々あります。「どこで何をしているか分かる」レベルの物件も珍しくないかもしれません。

ここで、各構造の防音性をざっくり比較してみましょう。

構造 一般的な防音性 空気音(話し声など) 固体音(足音など) 注意点
木造 (W造) △(低い) 響きやすい 響きやすい 生活音全般が伝わりやすい。
軽量鉄骨造 (S造) ○(普通) 響きやすい 響きやすい 木造よりはマシだが、RC造より劣る。
鉄筋コンクリート造 (RC造) ◎(高い) 防ぎやすい △(響くことあり) 重量床衝撃音は響く。壁・床の厚さ次第。

このように、防音性で比較するなら木造は明らかに不利です。ただし、近年では話が少し変わってきています。一部の木造物件でも「高遮音床システム(例:SHAIDD 55など)」を採用したり、「二重床・二重天井」の工夫がなされている場合があります。

一概に「すべての木造はうるさい」と決めつけるのも早計かもしれません。とはいえ、防音性を重視する場合、単に構造の違いを知るだけでなく、実際の物件の設計仕様(どんな防音対策がされているか)を確認する目を持つことが大切ですね。

木造アパートはゴキブリが出やすい?

木造アパートは、「ゴキブリ(G)が出やすい」と言われることがあります。これは残念ながら、ある程度事実であり、構造と管理の両面から見るとリスクは高めかなと思います。

なぜ木造アパートで出やすいのか、主な理由を見てみましょう。

1. 構造的な隙間と築年数

まず、木造アパートは築年数が古い物件が多いことが挙げられます。建物が古くなると、木材の収縮や歪みによって、壁、床、窓枠などに目に見えない隙間ができやすくなります。これがゴキブリの絶好の侵入経路になるんですね。

特に、昔ながらの押し入れ、床下、換気扇まわりなどは侵入・繁殖に適した環境になりやすく、「気づいたら出ていた」というケースも少なくありません。

2. 湿気がこもりやすい

次に、湿気がこもりやすい点も影響します。木造はコンクリートと違って調湿性があると言われますが、それは通気が良い場合の話。現代の(特に古い)アパートで通気が悪く管理が行き届いていないと、床下や壁内に湿気がたまり、ジメジメした環境になります。これは虫(ゴキブリやダニなど)の好む環境そのものですね。築年数が古い木造物件では、この傾向がより顕著になります。

3. 素材の問題

さらに、構造材に使われている木材そのものが、害虫の食害や住処になりやすい性質を持っています。ゴキブリだけでなくシロアリなどの害虫リスクも含めて考慮する必要があります。


とはいえ、すべての木造アパートにゴキブリが出やすいとは限りません。ここが重要です。

現代の新築木造物件では、高気密・高断熱な設計、基礎部分の防虫施工、24時間換気システムなどが施されています。こうした物件で、入居者が適切な清掃(特に水回りや生ゴミ処理)を行い、管理会社も共用部を清潔に保っていれば、発生リスクは十分に下げられます。

要は、「木造だから出る」のではなく、「古くて手入れされていない(隙間や湿気が多い)木造だと出やすい」ということです。物件選びでは、築年数・管理状況(ゴミ捨て場がキレイか)・清掃体制をチェックすることが大切ですね。

鉄筋アパートはやめとけ?回避する選び方

鉄筋アパートはやめとけ?回避する選び方

鉄筋アパートに対する「やめとけ」という不安を解消し、納得のいく住まい選びをするためには、構造の特性だけでなく、防音性や管理状態など、さまざまな視点から物件を見極めることが重要です。

「鉄筋だから」と安心するのではなく、「この鉄筋物件は大丈夫か?」と一歩踏み込んでチェックする姿勢が求められますね。

ここからは、鉄筋構造の弱点や鉄骨との違い、新築アパートの内見時に注目すべき点など、失敗を避けるための具体的な判断軸を紹介していきます。

鉄筋構造の欠点を理解して対策する

鉄筋コンクリート構造(RC造)には多くのメリットがありますが、もちろん欠点も存在します。それを理解したうえで対策を講じることが快適な生活に直結しますね。防音性や耐火性の高さに注目が集まりがちですが、実際に住んでみて気付く“見落とされやすい短所”がいくつかあります。

欠点1:固体音(特に重量床衝撃音)の伝わりやすさ

先ほども触れましたが、鉄筋構造は空気音(話し声やテレビ音)には比較的強いものの、床や壁を伝う“固体音”は想像以上に響くことがあります。コンクリートは硬くて重い(=質量がある)ため、空気の振動は遮断しますが、一度振動が伝わってしまうと、その振動を遠くまで伝えやすい性質も持っているんです。

たとえば、上階の子供が飛び跳ねる音、椅子を引く「ギーッ」という音、ドアを強く閉める「ドン!」という音などがコンクリートを伝って階下や隣室に届くことは少なくありません。

欠点2:遮音性の過信と「物件ガチャ」

「鉄筋構造だから」といって、すべての物件が同じレベルの防音性能を持っているわけではありません。これが一番の落とし穴かもしれません。築年数の古い物件では、床スラブや壁の厚みが現行の基準(目安)を下回っていることもあり、構造上の性能が期待値に届いていないこともあります。

見た目はしっかりしたマンションに見えても、実は壁が薄かったり、防音材が入っていない「なんちゃってRC」のようなケースもあるのです。

欠点3:熱効率の悪さと結露

コンクリートは熱をため込みやすい(熱容量が大きい)性質があります。これは、一度冷えるとなかなか暖まらず、一度暖まると冷めにくい、ということです。結果として、夏は(夜になっても)暑く、冬は底冷えするという住環境になりやすい構造です。

これが原因で冷暖房効率が悪くなりがちで、特に冬場は外気との温度差で窓や壁(特に北側)に結露が発生しやすく、カビの原因になることもあります。

内見時の対策チェックリスト

  • 不動産会社に「壁厚」や「床スラブ厚」の情報を(分かる範囲で)聞いてみる。
  • 内見時に、部屋の真ん中で手を叩き、音の反響を確かめる(響きすぎるのは良くないかも)。
  • 壁を軽くノックしてみて、詰まった重い音(コンクリ)か、軽い音(石膏ボード)か確かめる。
  • 角部屋を選ぶ(隣接する住戸が減るため、騒音リスクが下がる)。
  • 換気設備(24時間換気など)が正常に作動するか、結露対策がされているか確認する。

鉄筋構造は決して“完璧”ではありません。だからこそ、長所と短所を正しく理解し、それに見合った対策(内見でのチェックや家具の配置工夫など)を講じることが後悔しない部屋選びにつながりますね。

鉄筋と鉄骨はどちらが防音性に優れる?

防音性を重視するなら、鉄筋と鉄骨のどちらが優れているのか――この問いに対する答えは、一般的には鉄筋(RC造)の方が防音性能は高いです。

ただし、ここにも注意が必要で、構造名だけで判断するのは危険です。実際は細かい仕様や設計、そして「鉄骨」の種類によってその性能は大きく変わります。

まず、鉄筋コンクリート造(RC造)は、壁や床がコンクリートで構成されており、質量がある分、空気音の遮断に非常に強いという特徴を持ちます。テレビの音、話し声、音楽などの音は、素材の厚みによってほとんど外に漏れにくく、周囲にも聞こえにくい構造です。

一方、鉄骨造(S造)には「軽量鉄骨」と「重量鉄骨」があります。

軽量鉄骨造

アパートで多いのはこちらですね。柱や梁が鉄でできているものの、壁や床の構造がシンプルで薄い素材(石膏ボードなど)になりがちです。そのため、空気音も固体音も鉄筋構造に比べて通りやすく、生活音が気になるという声が多く見られます。特に軽量鉄骨では、隣人の話し声やくしゃみ、目覚ましの音まで聞こえることも珍しくありません。

重量鉄骨造

こちらは主にマンションや商業ビルで使われます。軽量鉄骨よりもしっかりした骨組みですが、壁の構造はRC造とは異なり、ALCコンクリートパネル(軽量気泡コンクリート)などが使われることが多いです。RC造に比べると、やはり防音性は一歩劣る傾向があります。


つまり、防音性の序列は一般的に以下のようになります。

RC造(鉄筋コンクリート) > 重量鉄骨造 > 軽量鉄骨造 > 木造

ただし、先ほども述べたように、築年数が古く施工の甘いRC造では、防音性が思ったよりも低く感じられることもあります。逆に、最近の軽量鉄骨造でも、ハウスメーカーが高遮音床システムなどを導入していれば、古いRC造より快適な場合もあり得ます。

重要なのは、「鉄筋 or 鉄骨」だけを見るのではなく、壁厚・スラブ厚・断熱材の有無・防音建材の使用有無などを総合的に確認することです。具体的には、壁厚15cm以上、スラブ厚20cm以上であれば一定の防音性は期待できると言われていますね。

最終的には、構造名を参考にしつつ、その物件ごとの遮音仕様や、可能であれば入居者の口コミも確認して判断する姿勢が、失敗しない物件選びにつながります。

新築アパートでも内見で見るべき点

新築アパートでも内見で見るべき点

「新築ならキレイだし、設備も最新だから大丈夫だろう」と思うかもしれませんが、新築アパートであっても、内見は絶対に省いてはいけません。新しい=快適とは限らず、防音性や間取り、建材の質などに問題があるケースも存在するからです。

新築物件はピカピカで魅力的に見えるものですが、最近は建設コストを抑えるために、薄い壁材や簡素な構造で建てられていることも珍しくありません。特にアパートタイプの場合、建物の構造が軽量鉄骨や木造である場合が多く、遮音性能や耐久性は鉄筋コンクリート造に比べて劣ることがあります。

新築の内見で特に注目すべき点をまとめます。

1. 壁と床の「音の響き」

内見時に注目すべきなのは、まず壁や床を軽く叩いて音の響きを確かめることです。コンコン、と軽い音が反響する場合は、壁が薄く、隣室の音が漏れやすい可能性があります。逆に、ゴツゴツ、と詰まった重い音がすれば、遮音性が期待できるかもしれません。

2. 水回りと収納の位置関係

間取り図だけでなく、現地で「隣の部屋との位置関係」を確認してください。例えば、自分の部屋のベッドを置こうと思っている壁の裏が、隣室のトイレや浴室だった場合、夜中に水の音で目が覚める可能性があります。

理想的なのは、隣室との間に収納(クローゼット)が挟まっている間取りですね。これが天然の防音壁になってくれます。

3. 窓とドアの「気密性」

次に見るべきは窓のサッシとドアの防音性能です。窓ガラスが1枚の「シングルガラス」か、2枚の「複層ガラス(ペアガラス)」かで遮音効果は大きく変わります。また、玄関ドアも薄い鉄板一枚ではなく、重量感があり、ドア枠にしっかりとしたゴムパッキン(気密材)がついているかどうかが重要です。

4. 「隙間」のチェック

意外とここから音や虫が入ってくるケースがあります。換気扇やエアコンの配管穴(スリーブ)まわりに、パテ埋めが雑で隙間が空いていないか、しっかり確認してください。

見た目の新しさだけで判断せず、実際に生活したときの音の流れ・設備の位置・素材の質感などを、自分の耳と目で確かめることが、後悔しない物件選びにつながります。

防音性能が高い部屋の特徴とは?

では、具体的に「防音性能が高い部屋」にはどのような特徴があるのでしょうか。これには、共通する「構造」「間取り」「建材」の特徴があります。外観や築年数よりも、こうしたポイントに注目することで、静かな暮らしを実現できる確率が高まりますね。

私が考える「防音優良物件」の特徴を挙げます。

防音性が期待できる物件の特徴

  1. 構造:RC造またはSRC造であるまず大前提として、木造や軽量鉄骨造より有利です。
  2. 壁・床:十分な厚さがある床スラブ厚が20cm以上、壁厚が15cm以上(できれば18cm以上)あると望ましいです。不動産会社に確認してみましょう。
  3. 床構造:「二重床・二重天井」であるコンクリートスラブの上に直接フローリングを貼る「直床」ではなく、空間を設けて床材を設置する「二重床」は、特に足音(固体音)の軽減に効果があります。
  4. 間取り:角部屋・最上階である接している部屋が少ないため、騒音の発生源(隣人)が物理的に少なくなります。
  5. 間取り:隣室との間に収納がある前述の通り、クローゼットや押し入れが壁代わりになる間取りは有利です。
  6. 窓:複層ガラス(ペアガラス)や二重サッシである道路に面している物件では特に重要です。外部の騒音(車や電車の音)を大幅にカットできます。
  7. 設備:換気口に防音フードがついている換気口は音の通り道になりやすいですが、防音仕様のフード(カバー)がついていると軽減されます。

設備で見落としがちなのは換気扇・エアコンダクト・排水管まわりの処理です。ここにすき間があると、音が抜けたり入ったりしやすくなります。気密性・遮音性を高める設計になっている物件は、こうした小さな部分にも丁寧な施工がなされていることが多いですね。

つまり、防音性は単なる「構造」ではなく、「細部の設計と仕上がり」に現れます。内見時は見た目だけでなく、音の跳ね返り方や壁を挟んだ空間構成に注目することで、本当に静かな部屋を見極めることができます。

管理の質が暮らしやすさに直結する理由

ここまで構造や設備の話をしてきましたが、これらがどれだけ優れていても、管理の質が低ければ、住み心地は大きく損なわれます。日常生活において、「管理が行き届いているかどうか」は見落とされがちですが、実は非常に重要なポイントです。

例えば、騒音トラブルが発生したときの対応です。どれだけ防音性が高い物件でも、常識外れな使い方をすれば音は響きます。そんな時、迅速かつ適切に対応(注意喚起やルール整備)できる管理会社がついているかどうかで、入居者のストレスは大きく変わりますよね。

対応が遅い、電話しても「担当者不在」ばかり、最終的に放置される――こうした管理の甘さは、問題の長期化や住人間のトラブルに直結します。

また、日々の清掃・点検・修繕も暮らしの快適さに影響します。

  • ゴミ捨て場がいつも清潔に保たれているか(害虫予防にも直結)
  • 共用廊下や階段の電球が切れたままになっていないか
  • 郵便受け(チラシ入れ)が不要なチラシで溢れかえっていないか
  • エントランスや掲示板が整理整頓されているか

エントランスが汚れていたり、雑草が放置されている物件では、住人のモラルも下がりやすく、結果として騒音やゴミ出しルール違反が起こりやすくなるという負の連鎖が起こりがちです。

さらに、防犯性や安全性の面でも、管理の質は大きな影響を持ちます。オートロックの不具合、監視カメラの死角、暗い共用部など、管理不足によって起こるリスクは数多くあります。しっかりとした管理体制があれば、こうした問題は早期に発見・改善され、安心して暮らせる環境が維持されます。

管理の質を見極めるポイント

内見時や契約前には、共用部(ゴミ捨て場、駐輪場、廊下)の状態や掲示板の管理状況(古いお知らせが貼りっぱなしでないか)、すれ違う住人のマナーなどを観察することが有効です。また、不動産会社に「管理会社はどこか」「トラブル対応のスピードはどうか」などを(差し支えない範囲で)確認するのも重要なアクションですね。

つまり、構造や設備といった「ハード面」に加えて、“誰がどう維持しているか”という「ソフト面」をチェックすることが、住んでからの満足度に直結するのです。

鉄筋アパートはやめとけのまとめ

この記事のポイントをまとめます。

  • 鉄筋アパートは「静か」と期待しすぎると「うるさい」と感じ、後悔することがある
  • 賃貸の鉄筋コンクリートでも、固体音(足音など)が響いたり、壁が薄くて騒音が気になる物件は存在する
  • 鉄筋構造でも築年数や施工(壁厚・スラブ厚)によって防音性に大きな差が出る
  • 軽量鉄骨はRC造より防音性が劣り、隣室の話し声などの空気音が響きやすい傾向がある
  • 木造アパートは最も音が通りやすく、構造的には不利(ただし新築は対策されている場合も)
  • 木造アパートは古くなると隙間や湿気でゴキブリの発生リスクが比較的高まる
  • 鉄筋と鉄骨では、一般的に鉄筋(RC造)の方が防音性に優れている
  • 新築アパートでも油断せず、内見で壁の響きや間取り、隙間の確認が重要
  • 防音性の高い部屋には「RC造」「厚い壁・床」「角部屋」「二重床」などの共通点がある
  • 物件の管理体制(清掃やトラブル対応)は、快適な住環境に直結する重要な要素である

鉄筋アパートを選ぶ際は、「鉄筋=安心」と思い込まず、物件ごとの構造的な特徴(特に壁や床の厚さ)や築年数、防音設計の有無などをしっかり確認することが大切ですね。

また、軽量鉄骨や木造といった他の構造とも比較しながら、自分のライフスタイルや「音に対する許容度」に合った住環境を選ぶことが、後悔のない暮らしにつながるかなと思います。

快適な賃貸生活を実現するためには、目に見える新しさや広さだけでなく、“見えない音の問題”や“管理の質”にも目を向ける視点が求められますね。