タイムズカーシェアを利用した後に、身に覚えのない傷を見つけて「どうしよう…」と不安に感じていませんか。あるいは、運転中に少し擦ったかもしれないけれど、小さい傷だからと報告しなかった経験がある方もいるかもしれません。
この記事では、タイムズカーシェアで傷に気づかなかった、または報告しなかった場合に何が起きるのか、そして万が一の際にどう対応すべきかを徹底的に解説します。後日タイムズから連絡が来てパニックになる前に、正しい知識を身につけておきましょう。
利用中に車を擦った場合の報告義務や、警察への連絡の必要性、気になる料金体系、そして万が一のための免責補償コースの役割まで、あなたの疑問に全てお答えします。傷のことでバレるかと心配する前に、この記事を読んで最善の行動を知ることが、問題を最小限に抑える鍵となります。
- タイムズカーシェアで傷を報告しないことのリスクがわかる
- 傷が発覚する具体的な仕組みを理解できる
- 傷に気づいた時に取るべき正しい手順がわかる
- 修理にかかる料金や補償制度について詳しくなれる
タイムズカーシェアで傷に気づかなかった際のNG行動
- 「バレないだろう」という安易な考えは危険
- 利用履歴から傷をつけた、擦った人がバレる仕組み
- 擦ったのに報告しないと起こる最悪の事態
- 小さい傷でも必ず報告が必要な理由
- 後日タイムズから連絡が来た場合の対処法
「バレないだろう」という安易な考えは危険
「ほんの少し擦っただけだから、バレないだろう」と考えてしまう気持ちは分かります。しかし、その考えは非常に危険です。
結論から言うと、タイムズカーシェアで付けた傷は、たとえ小さなものであっても高い確率で発覚します。カーシェアリングサービスは、利用者同士の信頼とルールの上に成り立っており、車両の状態をチェックする仕組みが整っているからです。
返却時にスタッフによる対面での確認がないため、つい油断しがちですが、その後の利用者が利用前の点検で傷を発見したり、定期的な車両清掃・点検でスタッフが気づいたりするケースがほとんどです。安易な自己判断が、後々大きなトラブルに発展することを理解しておく必要があります。
隠蔽は絶対にNG
傷を隠そうとする行為は、単なる報告忘れとは異なり、意図的な規約違反と見なされる可能性があります。絶対に行わないでください。
利用履歴から傷をつけた、擦った人がバレる仕組み
では、なぜ傷を付けたのが自分だと特定されるのでしょうか。その理由は、タイムズカーシェアの管理システムにあります。
タイムズカーシェアでは、誰が、いつ、どの車両を利用したかという全履歴がデータとして厳密に管理されています。
具体的には、以下のような流れで特定されます。
- あなたが車両を利用し、傷を報告せずに返却します。
- 次にその車両を予約した利用者が、利用開始前の「日常点検」で傷を発見します。
- 次の利用者は、その傷をタイムズカーシェアに報告します。
- タイムズカーシェアは車両の利用履歴を照会し、「傷の報告があった利用の一つ前の利用者」であるあなたに連絡するという仕組みです。
このように、システム上、誰の利用期間中に傷が発生したのかは簡単に追跡できてしまいます。「バレないだろう」という考えは通用しないのです。
擦ったのに報告しないと起こる最悪の事態
もし傷を報告しなかった場合、具体的にどのような事態に陥るのでしょうか。これは単に修理代を請求されるだけでなく、より深刻なペナルティにつながる可能性があります。
最も大きなリスクは、事故の無申告が重大な規約違反とみなされることです。これにより、本来受けられるはずの補償が適用されなくなります。
無申告による3つの重大リスク
- 保険・補償の適用外: タイムズカーシェアの利用料金には対人・対物・車両補償が含まれていますが、無申告の場合はこれが一切適用されません。結果として、車両の修理にかかった費用の全額が自己負担となる可能性があります。
- NOC(ノンオペレーションチャージ)以上の請求: 通常の事故であればNOC(後述)の支払いで済む場合でも、規約違反の場合は修理期間中の休業損害の実費など、NOCを大幅に超える金額を請求されることがあります。
- 会員資格の剥奪: 悪質なケースと判断された場合、タイムズカーシェアの会員資格を取り消される可能性があります。一度資格を失うと、再入会は極めて困難になります。
軽い気持ちで報告を怠った結果、数十万円単位の支払いやサービスの利用停止といった、取り返しのつかない事態を招く恐れがあるのです。
小さい傷でも必ず報告が必要な理由
「かすり傷程度なら大丈夫だろう」と思うかもしれませんが、タイムズカーシェアのルールでは、傷の大小に関わらず、車両に何らかの損傷を与えた場合は全て「事故」として扱われます。
たとえ1cmの線傷や、爪が引っかからない程度の擦り傷であっても、報告の義務があるのです。
その理由は、主に2つあります。
理由1:次の利用者のため
あなたが報告しなかった傷を次の利用者が発見した場合、その人は「自分が付けた傷ではないか」と不安に感じ、報告の手間を負うことになります。シェアリングサービスは、全員がルールを守ることで快適な利用環境が保たれるため、次の利用者への配慮は必須のマナーです。
理由2:損害の拡大を防ぐため
例えば、バンパーの小さなひび割れを放置した結果、雨水が侵入して内部の部品が錆びるなど、後からより大きな修理が必要になるケースもあります。早期に報告することで、車両のさらなる状態悪化を防ぐ目的もあるのです。
「このくらいなら…」という自己判断はせず、どんなに些細な傷でも必ず報告する意識を持つことが、トラブルを未然に防ぐ上で非常に重要です。
後日タイムズから連絡が来た場合の対処法
もし、利用後にタイムズカーシェアから電話やメールで連絡が来た場合、それは既に傷が発見され、あなたが利用者として特定されている可能性が極めて高いです。
この時点で最もやってはいけないことは、連絡を無視したり、嘘をついたりすることです。
正直に状況を話すことが、問題をそれ以上大きくしないための最善策となります。電話口では、まず落ち着いて以下の点を認め、誠実に対応しましょう。
- 連絡があった傷について、自身の利用中に発生した可能性があること。
- 報告を怠ってしまったことに対する謝罪。
「気づかなかった」「覚えていない」と正直に伝えるのは問題ありませんが、「絶対に自分ではない」と虚偽の主張をすると、心証を悪くし、より厳しい対応を取られる可能性があります。誠実な姿勢で、その後の手続きに関する指示を仰いでください。
タイムズカーシェアで傷に気づかなかった時の正しい対応
- 傷を見つけたらまず警察とタイムズへ電話
- 車を擦った場合の警察への連絡は義務
- 擦った場合に報告すべき内容と流れ
- 車を擦った時にかかる料金はNOCが基本
- 免責補償コースに加入していても報告は必須
- 総括:タイムズカーシェアで傷に気づかなかった時の最善策
傷を見つけたらまず警察とタイムズへ電話
運転中や返却前に車両の傷に気づいた場合、パニックにならず、落ち着いて手順通りに行動することが大切です。取るべき行動は、大きく分けて2つです。
まず第一に、負傷者がいる場合は119番で救急車を呼ぶことが最優先です。その後、以下の連絡を速やかに行います。
傷に気づいた時の連絡先
- 警察(110番)へ連絡:
物損事故として届け出を行います。相手がいない自損事故(ガードレールに擦ったなど)の場合でも、必ず警察への連絡が必要です。 - タイムズカーシェア 事故受付窓口へ連絡:
警察への連絡が終わったら、次にタイムズカーシェアの専用窓口に電話します。- 事故受付番号:0120-72-5656(24時間受付)
この2つの連絡は、どちらか一方ではなく、必ず両方行う必要があります。この手続きを怠ると、前述の通り保険・補償が適用されなくなるため、絶対に忘れないようにしましょう。
車を擦った場合の警察への連絡は義務
「相手もいないし、警察を呼ぶのは大げさでは?」と感じるかもしれませんが、これは義務です。
道路交通法では、物損・人身を問わず、交通事故を起こした運転者には警察への報告義務が課せられています。たとえ壁や電柱に擦っただけの自損事故であっても、法律上の「交通事故」に該当します。
さらに、警察に届け出ることで「交通事故証明書」を発行してもらうことができます。この書類は、後にタイムズカーシェアの保険・補償を適用する上で、事故が起きたことを客観的に証明するための極めて重要な書類となります。
警察への連絡を怠ることは、法律違反であると同時に、自身が受けられるはずの補償を放棄する行為にもつながるのです。
擦った場合に報告すべき内容と流れ
タイムズカーシェアの事故受付窓口に電話した際、スムーズに報告できるよう、伝えるべき情報を事前に整理しておくと安心です。
主に聞かれるのは以下の内容です。
- 会員情報:氏名や会員番号など
- 車両情報:利用している車両のナンバー
- 事故の日時と場所:いつ、どこで事故を起こしたか
- 事故の状況:どのようにして傷ができたか、損傷の程度、警察への届出の有無など
気が動転しているかもしれませんが、オペレーターが順番に質問してくれますので、落ち着いて、正直に、覚えている範囲で答えれば大丈夫です。不明な点は「分かりません」と伝えて問題ありません。
報告後は、車両の返却や修理についてオペレーターから指示がありますので、その内容に従って行動してください。
車を擦った時にかかる料金はNOCが基本
多くの人が最も心配するのが、修理にかかる費用でしょう。しかし、適切に報告さえすれば、修理費全額を負担することは基本的にありません。
利用者が主に負担するのは、NOC(ノンオペレーションチャージ)と呼ばれるものです。これは、車両の修理や清掃で、その車が営業(オペレーション)できない期間が生じることに対する休業補償の一部です。
NOCの金額は、車両の状態によって決まっています。
車両の状態 | NOC負担額 | 具体例 |
---|---|---|
自走してステーションに返却できた場合 | 20,000円 | ドアミラーを少し擦った、バンパーにかすり傷が付いたなど |
自走できずレッカー搬送となった場合 | 50,000円 | 縁石に乗り上げて足回りを損傷した、事故で走行不能になったなど |
つまり、正しく報告すれば、利用者の金銭的負担は原則としてこのNOCのみとなります。数十万円の修理費を請求されるリスクと比較すれば、負担は大きく軽減されることが分かります。
※NOCは不課税です。また、これはあくまで規約違反がなかった場合の金額です。
免責補償コースに加入していても報告は必須
タイムズカーシェアには、「安心補償サービス」というオプションがあります。これは、利用開始前に加入することで、万が一の事故の際に前述のNOC(2万円または5万円)の支払いが免除される、いわばお守りのようなサービスです。
しかし、ここで非常に重要な注意点があります。
それは、たとえ安心補償サービスに加入していても、事故の報告(警察とタイムズへの連絡)を怠った場合は、サービスが適用されないということです。
安心補償サービスが適用されないケース
「無申告」「警察への未届出」「飲酒運転」などの重大な規約違反があった場合は、たとえ加入していてもNOCは免除されず、自己負担となります。安心補償サービスは、あくまでルールを守って利用していることが大前提の制度なのです。
「オプションに入っているから報告しなくても大丈夫」ということには決してなりませんので、ご注意ください。
タイムズカーシェアで傷に気づかなかった時の最善策
この記事の要点を、最後にリスト形式でまとめます。
タイムズカーシェアを安心して利用するために、以下のポイントを必ず覚えておいてください。
- タイムズカーシェアで付けた傷は高確率で発覚する
- 「バレないだろう」という考えは最もリスクが高い
- 傷の特定は利用履歴データから容易に行われる
- 報告を怠ると保険や補償が一切適用されない
- 無申告の場合、修理費の全額自己負担や会員資格剥奪の可能性がある
- 1cmの傷でも報告義務がある「事故」として扱われる
- トラブルを防ぐため、利用開始前の車両チェックは必須
- 利用前の傷は写真や動画で記録しておくのが最も確実
- 利用中に傷を付けたり見つけたりしたら、まず安全を確保する
- 次に必ず警察(110番)へ連絡し、事故として届け出る
- 警察への届出は法律上の義務であり、補償適用にも不可欠
- 警察への連絡後、速やかにタイムズの事故受付窓口に電話する
- 報告をすれば、利用者の負担は原則NOC(2万円または5万円)のみ
- 安心補償サービスに加入していても、無申告の場合は適用外となる
- 後日連絡が来た場合は、無視せず誠実に対応することが最善策